ありんこ書房

今日から使える創作ノウハウ。時々エッセイ。ゴシックカルチャー。

ひねくれ者のアナタも考え方をひっくり返される驚きの本4冊

      2017/01/01

スポンサードリンク

よくあるキュレーション記事でお茶を濁します。
御機嫌よう、蟻坂(@4risaka)です。

わたくし蟻坂、2016年1月くらいに突然読書に目覚めまして、だいたい月7〜12冊くらいのペースで色々雑多に乱読しておりました。
読書趣味が興じてブログネタにする程度には色々読みまして、いい趣味を増やしたなーといった感じです。
(参考記事: 半年で70冊読んだ筆者流、乱読・速読のための3つの読書術)
(参考記事: 読書の際、今すぐ書き込みをやめてポストイットを使うべき3つの理由)

さて、それくらい色々読んだ割に書評記事をあんまり書くことをしてなかったりするのと、読みすぎて収拾付いてない感があるのが自覚としてありますので、備忘録も兼ねて、「一切メモとってないけどかなり記憶に残っている、考え方に影響した本」というのをいくつか紹介してみようと思います。

考え方を変えるオススメ本4冊

なんだか意識高いライフハック的見出しと記事タイトルですが、別に世界を変えようってわけではありません。主に自分らしく生きるためのヒントとして。

ダン・アリエリー「予想どおりに不合理」

行動経済学のバイブルとして非常に有名な本です。人間の心理を理解したかったので読みました。

もともと、弊ブログを立ち上げるずっと前に企画していた同人サークルで盛大な失敗と挫折をしたので、その反省と少しの憎悪を込めて「人の心理を上手く動かすにはどうすればよいか」という極めて婉曲的な発想から手に取った本です。

書いてある内容は、アリエリー氏が心理学・行動経済学的な観点で「人は特定の条件を与えたとき、経済的に全く合理的ではないアクションを取る」ということを様々な実験によって示すものとなっています。

個人的に興味深かったのは「タダ(0ドル)」で配布すると、数セントの激安価格で「タダ」より良い価値を提供(=明らかにお金出したほうが得られる価値が大きい)した場合よりも配布する数が増えるという話。

昨今はスマホアプリを始めとしてフリーミアムモデルが流行っていますが、「タダ」の魔力を思い知る結果になりましたし、何より価値を決定するにあたって極めて惑わす要素になるという点が非常に危険に思えました。なるほど、同人制作をされている方は値段設定に最新の注意を払わないといけないわけです(うかつにタダにするのは危うい!)。

これに限らず、人間という生き物が「如何に合理的な価値判断をできずに生きているか」「心理によって不合理な行動をとりまくるか」をありありと見せつける各種実験が非常に読み応えのある本です。

この本で得られた知見によって、わたしの相手の誠意に期待しないで、その場の環境に由来する相手の価値判断だけを冷めた目で評価する態度は拍車をかけることになりました(駄目)。

ジェームズ・ワット「BUSINESS FOR PUNKS」

数ある洋書訳のビジネス書の中で異端中の異端と断言しても良い本です。

多くのビジネス書に書いてあるのは「こうすれば上手くいく」という方法論の類なのですが、わたしはその手の成功パターンについては懐疑的です。なぜならば、

  • 偶然ヒットしたものに後から理由をつけているだけだから
  • たまたま自分が成功したパターンがそれであって、一般化できることを証明できていないから
  • パターン化しているならいろんな会社が潰れまくる事実と矛盾するから

という具合に論理的におかしいためです。やはり「成功はランダム性がある」と解釈しています。

……閑話休題、「BUSINESS FOR PUNKS」は、そんな普遍的なビジネス書を真正面からパンクス精神で叩き切って我が道を行くための指南をする愉快な本になっています。単純に読み物として面白いです。

例えば、帯にも書いてある代表的なものに「人の話は聴くな、アドバイスは無視しろ」というのがあります。特に文句だけ言ってくる人というのはどこにでも居るのですが、本書はその存在を徹底的にこき下ろす文言が印象的です。

世の中には、あなたを叩くことだけが生きがいの負け犬がたくさんいる。こういう決まりにとらわれた社畜たちは、あなたの成功を望まない。新しいものを恐れ、怯えているのだ。そして、みずからの先見性のなさを正当化するため、現状に必死でしがみついている。連中は人の皮をかぶった羊なのだ。

訳文に社畜という単語を当てるセンスも含めて大好きです。こんな風に強烈な毒舌が終始続いており、考えが似ている人が読むと痛快でクスリときます。そして最後の最後に「本書も参考にするべきではないのだ」とめちゃくちゃなことが書いてあって終わります。

一方、事業の指南としても「ブログは神」とか「キャッシュは最重要」とか、要点を得た的確なアドバイスが載っていますので、正しく参考にできる部分も大いにあることでしょう。

とりあえず「ビジネス書」の小難しいイメージを全部破壊するユニークな本になっています。

中島義道「人間嫌いのルール」

わたしはコミュ障通り越してコミュ絶とでも言ったほうがいいくらい対人コミュニケーション能力に難があるのですが、なんとなく考え方が似てそうだったので買ってみた「戦う哲学者」こと中島義道さんの著書です。

こちらはエッセイなので中島さんの考え方が一冊に渡って綴られているものなのですが、とにかく氏は形式的なものが嫌いらしく、それに対する怒りのようなものがふつふつと伝わってきます。わたしもそういうのは苦手なので大いに共感するところがありました。

しかしながら、世の中から逸れっぱなしで生きるのもなかなか大変で、氏はそんな「人間嫌い」のための上手い生き方として、いくつかの条件を上げています。中でも「誠実であること」「仕事ができること」という2つのポイントは、利害の一致という観点で非常に合理的であり、大いに参考にする部分がありました。

一方、この後に出した本「非社交的社交性」では、この「人間嫌いのルール」に毒されてなんかおかしな勘違いをしている学生さんを糾弾する話が書いてあり、まぁある程度自分で考えて合わせる所合わせないと駄目だよねというのは流石にわたしも理解しました。一方で「非社交的〜」のほうは、そういう若者の病理に少しは寄り添う氏の姿勢が見え隠れするところもポイントです。

ちなみに別の記事で少し触れていますので、わたしほど強烈なコミュニケーション不能はなかなかいらっしゃらないかと思いますが、よろしければ御覧ください。
(参考記事: 人間嫌いの偏屈でも同人作家をそれなりに楽しむ3つのルール)

個人的には2016年で一番考え方のブレイクスルーになった本であり、中の人の行動原理とか相手と取引するときの考え方に影響を与えた本です。人間や社会が駄目な人が上手く歩くための道標になってくれることでしょう。

宗像淳「商品を売るな」

えーと、個人的にこれ教えたくない本のひとつなので書くの結構迷ったのですが、書きます。その代わり断りなしに専門用語を乱発して何言ってんだかよくわからない書き方にします(?)。

いわゆるコンテンツマーケティングを非常にわかりやすく取り扱った本で、「いちばんやさしいコンテンツマーケティングの教本」と似ています。

あらゆる企業のコンテンツマーケティングによる成功事例が豊富に載っているのですが、共通しているのはSNSとブログを使ったオウンドメディアの活用(これに限らずペイドメディア、アーンドメディア等の話も出ますが)であり、先の「BUSINESS FOR PUNKS」にある「ブログは神」の理由が論理的に理解できます。

つまるところ、目的とする最終コンバージョンを立てて、あとはKPI達成するまでひたすらオウンドメディアを更新し倒す(もちろんコンテンツの質を下げない)ことで、ロングテールを作り出し、最終コンバージョンが得られる……というまさに昨今のメディアがやっていることそのものを解き明かすものなのですが、当時のわたしとしては目からウロコでした。

Webサイト周辺の知識は昔取った杵柄があったので、それを活用しつつ色々実験して、なんだかんだ思った通り行って、弊ブログが今に至っているのですが、そのからくりはこの本を熟読すると答えが書いてあります(だから教えたくないんですが)。

まとめ

以上、他の記事でも見たことあるような感想文まとめみたいになっていて恐縮ですが、わたしが1年いろんなインプットをしてみて、特に思考の変化に影響したかなーと思える本の紹介でした。

次点で「いいものを作ってるだけじゃダメだ」という考え方は村上隆さんの「芸術起業論」の影響が大きいのでこれもオススメしたいです。

しかし、こちらは個別記事で5,000字くらい書いているので、そちらを参照ください。
(参考記事: 芸術だってビジネスセンスが必要。村上隆「芸術起業論」を読みました)

なんにせよ読書体験が思考や行動に影響を与えるエネルギーは大きいと思います。一方で間違った知識に流されるリスクもあるので、自分の頭で解釈しつつもっと豊かにしていきたいですね。

 - , 雑貨 , , , , , , , , ,