単品購入でも手に入れたい!魔法みたいなWavesのチートプラグイン5つ

記事執筆時点では若干タイムリーですが、長く使える記事のつもりでWavesの個人的おすすめを。
御機嫌よう、蟻坂(@4risaka)です。
目次
Wavesのプラグインを買うなら?
Waves、業界標準のスタンダードなミックス向けプラグインシリーズ、と言われていたのも過去の話で、最近は新興メーカーがその完成度で肉薄していますし、
なによりセールを常時開催しているせいで初心者〜中級者のひとでもちょっとお金貯めたら手が届く程度の価格帯になりました。
このセール、基本的にバンドル(複数プラグインが入ったパック)のものに対して行われるのですが、まれに単品プラグインに適用されることも有り、
だいたい4,000円〜10,000円くらいで購入することが出来ます。
しかしセールといえど数千円!単品プラグインは数十種類揃えられていますから、どうせ買うならよく吟味していいものを買いたいものです。
そこで、本記事では個人的にこいつはWavesじゃないとできないと判断できる簡単操作で魔法の効果を出すプラグインを紹介します。
ちなみにこの記事自体は誰でも書けるプラグインおすすめ系記事でしかないので、個別の内容はリンクで手抜きします。あしからず。
Wavesのチートプラグイン
この「魔法の効果を出すプラグイン」を便宜的にチートプラグインと定義しましょう。
で、ミックスについてはなるべく楽したいわたしとしては外せないものを5つほど紹介します。
MV2
まずはこちらのMV2。主にボーカル向けのダイナミクスプロセッサーです。なんだかよくわからないけど音圧が出るという効果があります。
ボーカル向けをうたっているだけ合ってたぶんソフトニー系のコンプレッサー・リミッターが内蔵された何かなのですが、上記の操作画面をご覧の通りツマミは最低限で、
「LOW LEVEL」と「HIGH LEVEL」のツマミを操作するだけで音圧が上がります。
ボーカルの場合、リミッターやコンプをかけすぎるとパツンパツンになってダイナミクスが失われてしまい、せっかくのボーカリストの抑揚や艶みたいなのが全部どっかいってしまうという難しさがあるのですが、
MV2の場合そのような「パツンパツンになる」効果をある程度抑制するようなかかり方をしますので、コンプで潰しきりたくないときに「ある程度音量を揃える」目的で非常に簡単に使えます。
これと後述のVocal Riderを組み合わせると非常に自然にダイナミクスを整えられます。
【参考になりそうなほかのブログ様】
WAVES MV2 コンプで「ニュアンスを残したまま」音量コントロール | WAVES | 吉田将樹 Official Site
MaxxBass
お次はMaxxBass。これもなかなかチートプラグインで、なんだかよくわからないけど低音を盛れます。
ミックスにおいて「イマイチ低域がスカスカしてる」という悩みがあるかと思いますが、これが音源やトラック由来によるもので、オケ全体で100Hzあたりが空いてることがわかった場合目も当てられません。
アレンジからやり直すのは一つの手ですが、せっかく作ったオケ、音色の選び方はみなさん自身が選び抜いたもののはずです。それを崩すのは心苦しいしめんどくさいですよね。
そこで、トラックや音源に依存せずに低音を守るのがこのMaxxBass、正体はベースエンハンサーというもので倍音を信号処理で作りだすプラグインです。
これをベースとかキックにゆるくかけると不思議な力によって低域の土台がしっかりします。
操作も簡単で「Original Bass」(もとの音源の低域成分)と「MaxxBass」(人工的に盛る低域成分)」をツマミでバランス取るだけです。
ただ、今は操作がもっと簡単になったReneissence Bassがありますので、こっちでも良いと思います。
【参考になりそうなほかのブログ様】
WAVES Maxx Bass 無い音を加えるという考え方 | WAVES | 吉田将樹 Official Site
Vocal Rider
3つ目はVocal Rider。これはなかなかとんでもないプラグインでボリュームオートメーションを自動で書きます。エンジニアの仕事すら奪いかねないスーパーチートプラグインです。
VST3のサイドチェイン機能を使うことにより、「トラック1とトラック2の入力を拾う」ということができます。Vocal Riderはこれを利用して「ボーカルトラックとオケの入力を使って、ボリュームオートメーションの値を出力する」ということを実現したプラグインです。
つまりオケによって全く異なるボリュームオートメーションのカーブを勝手にふさわしいものに設定してくれます。
大層な操作画面がついていますが真ん中のボリュームツマミは設定したら勝手に動きますので、設定したらあとは書かせるだけ、みたいな操作の簡易さもまたチートです。
ただ、所詮ソフトウェアの自動処理なので感性に応じたボリュームオートメーションは当然書けません。あと信号先読みの関係か、ダイナミクスが激しいボーカルや曲だと変なオートメーションが出てきたりします。
「ここはもうちょっと大きくしたいんだよね」みたいな感覚的要素については、やはり皆さんご自身のセンスで描くのが良いでしょう。
【参考になりそうなほかのブログ様】
【プラグイン】ボーカルの音量変化を自然にしてくれるWaves Vocal Rider(ボーカルライダー)レビューと使い方 | こおろぎさんち
CLA Vocals
MV2、Vocal Riderにつづいてさらにボーカル系ですがCLA Vocalsもいい感じです。簡単操作でボーカルミックスを終わらせる系です。
あまりにも簡単なのでミックスがよくわからない歌い手の方なんかにおすすめできるという話を以前しましたが(関連: 【コミュ障歌い手のための、自力MIXで歌ってみたを仕上げる裏ワザ機材3選】)、エンジニアのプロデュースだけあってなかなか簡単に高い効果を出せます。
まずツマミはたった6つしかありませんし、EQやコンプのような非直感的なパラメータではなく「PUNCH」「TIGHT」などの感性的な名称のツマミが並びます。
そして、それらをいじるとなんかそんな感じの変化を起こしてくれます。基本的にラウドに仕上がる傾向にあるので、ロック・メタル系パワーボーカルに向いてます。
リバーブがインサートでかかってしまうのだけどうしようもないので、リバーブは切って別途かける前提になりますが、難しいこと考えなくてもオケに馴染むので個人的ボーカル用チートです。
【参考になりそうな他のブログ様】
ボーカルミックスに慣れていない人にこそ使って欲しい!!Waves CLA Vocals – どん底からの週末音楽生活
Vitamin
最後にWavesの中では古株プラグインのVitamin(MaxxBassもなかなか古株ですが)。
今となってはもうその辺のメーカーから出ているエキサイターというプラグインです。行える操作は倍音操作で、もともとの音源に不足しているヌケや重さなどの要素を信号処理による操作で盛るプラグインです。
MaxxBassが低音に特化したエンハンスなのに対して、Vitaminはあらゆる音色に使える総合的なエキサイタープラグインですので、「なんかスネアが抜けない」とかの漠然とした悩みがあって、
かつそれがEQやボリューム操作で解消できない時に有効です。
エキサイター自体は色んなメーカーから出てますがVitaminを推す理由は
もっと言うと「これがイチオシ!」みたいな立ち位置のプラグインはエキサイターだとなかなか聞いたことがないので、Gold Bundleを買った流れで使ってるところもあります。
【参考になりそうな他のブログ様】
MI BLOG – ミックスに「栄養」を!Vitaminでミックスを再構築。耳の使い方を学ぶTips。 | Media Integration, Inc.
まとめ
いかがでしたでしょうか。ここまで紹介しましたプラグインは、Vocal RiderとCLA Vocalsを除く3つは全てGold Bundleに収録されています。だいたい常時26,000円くらいで売ってます。
WAVES ( ウェーブス ) Gold Bundle | サウンドハウス
Wavesの最大の強みはこのようなとんでもない魔法の信号処理プラグインをたくさん出しているところで、
初心者〜中級者地点だと「業界のスタンダードだったものが安く手に入る」はもちろん魅力的ですが、こういうチートプラグインに目を向けるのが良いんじゃないかなと思います。
そうそう、1点気をつけて頂きたいのですが、Wavesはアップデートにライセンスの有効期限があり、1年経つとアップグレードできなくなります。
この際に払うライセンス料が「WUP」というものなのですが、セール前の定価ベースの見積もりが適用されており絶対にセールしません。
つまりもともと10万円くらいするバンドルをアップグレードしようとすると物凄いライセンス料が課せられますので、そこだけお気をつけて愉しいWavesライフをお送りください。
……ここまで書いといてなんですがEQとかコンプみたいなスタンダードなプラグインは今の時代Wavesを選ぶ理由はあんまりないかなぁ、と思ってたりします。GUIも古臭くて小さいので操作しにくいですし。