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Waves Butch Vig Vocalsはボーカルミックスの秘密兵器になりえるか?

      2016/12/26

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個人的には「YES」です。超簡単操作のWavesシグネチャーの本領発揮です。
御機嫌よう、蟻坂(@4risaka)です。

ボーカルミックスには色々はEQやらコンプやらボリュームの設定があって奥深いものですが、何しろ作編曲に集中したいわたしとしては、正直な所あんまり情熱を注ぐことができません

しかしながら、品質を雑にして良いわけではないので、なんとかして頑張らなければなりません。このジレンマを解消するには、今のところ道具を頼るか外注するかの2択になってきます。

本記事では、そんな「ツールで楽する」系のいつものズボラ発想によって手元に来てしまったプラグイン「Butch Vig Vocals」の簡単操作について紹介しようと思います。

Butch Vig Vocalsとは

まず「Butch Vig Vocals」というプラグインについて紹介しておきましょう。

Wavesのシグネチャーシリーズ

Wavesから出ている「Signature」と呼ばれるカテゴリのプラグインです。

Waves – Butch Vig Vocals | Media Integration, Inc.

そして、Butch Vigといえばロックバンド「Garbage」のドラムスであり、音楽プロデューサー・エンジニアとして活躍する有名人です。

ガービッジ – Wikipedia

「Butch Vig Vocals」は、そんなButch Vig氏の技術をボーカルミックスに特化して凝縮した「簡単操作でボーカルのミックスができちゃう魔法のプラグイン」といった位置づけになります。

「Garbage」のシャーリーみたいなロックボーカルのミックスに

で、このButch Vig Vocalsを使うと何が凄いかというと、ちょうどGarbageのボーカル、シャーリーのようなパワーがあってコケティッシュな魅力があるロックボーカルのミックスを驚くほど簡単に作り込むことができます

何が驚くほど簡単って一見GUIが派手と見せかけて操作系統が異様にシンプルで、そのくせに効き方が都合良すぎて余計なこと考える必要がないんですよ。

もうボーカルはとりあえずこれ挿してちょこちょこいじればいいや、って感じの、まさにイージーオペレーション系プラグインです。

あくまでも「ロックのボーカルに特化」というところがポイントです。あと女性ボーカルのほうが映えます。そりゃGarbageのシャーリーが女性なのでそうでしょうね。

Butch Vig Vocalsはここが楽チン

ではそのイージーオペレーションっぷりを説明していきましょう。操作系統が素晴らしい!という話なので、スペアナ挿した話とかは載せようと思いましたが省略します。

Wavesはデモが試せますので、効き具合が気になる方は実際に動かしてみるのが良いでしょう。

Media Integration | サポート

EQがシンプルで都合よく効く

まずEQ。

Butch Vig Vocals EQ部

「LOWS」「PRESENCE」「AIR」と、横に「HiCUT」「LoCUT」、下に「MidDIP」があります。
これを要約すると難しいこと考えなくてもおいしい帯域とQ値にセットされてるツマミが6つあるといった感じです。これをいじればEQはOK、といった感じでしょうか。

PRESENCE、AIRは高域っぽい名称ですが抜けがよくなります。LOWSは肉厚になります。LoCUT、HiCUTは衝突を避けてくれるので、必要に応じてかけると良いでしょう。

MidDIPはオーソドックスなカットだと思います。ベースとかドラムと衝突しがちで無駄な帯域を空けるのに使えそうです。

ツマミが決まっているということはやっぱり女性ボーカル向けのチューニングがなされているように思えます。デモ動画を探しても100%女性ボーカルです。逆に言えばそこにハマればとっても簡単にEQできます

コンプがツマミ一本で都合よく効く

EQ以上に取扱が難しい印象があるコンプですが、なんかツマミ1個だけあります。

Butch Vig Vocals コンプ部

これを右にぐいーっと回せばコンプがかかります。何がどうなってるのかよくわかりませんが不思議な力で前に出てきてくれます。

後述のサチュレーションと合わせて、やりすぎるとボーカリストが頑張って収録したダイナミクスが失われるので、オケを聴きながらいい感じになるところを探しましょう。

チートツマミ「FOCUS」

個人的にこのButch Vig Vocalsで一番ズルいと思っているのがこの「FOCUS」ツマミ。

Butch Vig Vocals FOCUSツマミ

これ「OFF」から「1」または「2」への切り替えをするだけのツマミなんですが、いきなり抜けが良くなります

どうやらこれ、「1」にすると1kHz付近、「2」にすると2kHz付近に秘密の加工をしているらしく、おそらくEQかエキサイターかなにかで倍音を調整して抜けを付加しているものと思われます。なーんかパッとしないなーと思った時ここをいじると一瞬で結果が得られます。素晴らしい。

サチュレーションで迫力を

ロックやメタルのボーカルでは、サチュレーションでわずかに歪ませて迫力を持たせることがあります。

Butch Vig Vocals サチュレーション部

このツマミはちょっと使うのがシビアで、少し右に振りすぎるとすぐビリビリと歪みます。ツマミが2種類ありますが、それぞれ「TUBE(真空管)」、「SOLID STATE(トランジスタ)」系の歪みという感じで、種類が違うだけですのでお好みで選べば良いでしょう。

ちなみに歪みすぎたときは、歪みツマミの近くにある「HiCUT」「LoCUT」を操作して抑制することができます。これは最初のEQの「HICUT」と違い、ポストEQのようです。

ただ、これはトリートメントというよりエフェクトに近い感じなので、個人的にはかけないで問題ないなら別にほっといてもいいかなーといった印象です。それこそドライブして変な音になったら本末転倒ですし。


一見派手でなんだか複雑そうな操作画面ですが、1個ずつ分解して見てみると結構簡単操作であることが理解できたかと思います。このほか左端にディエッサーがありますが、よくあるディエッサーと同じでつまみを回すと歯擦音が丸くなるというアレでしたので説明は省略します。

まとめ

Butch Vig Vocalsはロックボーカルを簡単に整えるためのズルいプラグインだ!という話でした。

この点のズルいプラグインは過去CLA Vocalsをちょっとだけ扱ったことがあるのですが(参考記事: コミュ障歌い手のための、自力MIXで歌ってみたを仕上げる裏ワザ機材3選)、わたしはEQ、コンプ、FOCUSの対応がわかりやすいのと、EQとFOCUSのかかり具合が好みなので、こっちのほうが好きです。

Wavesは最近こういうイージーオペレーション系のプラグインをよく出していますが、上手く使うとミックスの手間を大幅に省くことができます。おすすめです。

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