iPadでDTMしてみよう | iOS向け、3つのDAWアプリの紹介(Xewton贔屓)
2016/03/20

最近誰もがスマートデバイスを持っている時代でございます。
ときにそこの貴方、iPhoneかiPad、つまりiOSデバイスをお持ちでしょうか。
持っている貴方、おめでとうございます、少ない投資でDTMができます。
というわけで、本記事はXewton Music Studioに偏ったiOS向けDAWアプリの紹介記事でございます。
なんて不公平!
目次
iOSという制限環境でのDTM
パソコンで使われる作曲ソフト「Digital Audio Workstation」は、
安いものでも10,000円しますし、機能をフルに使えるプロフェッショナル版だと60,000円くらいします。
学割は多くの場合適用できますが、それでもツラいですよね。
それに、マウスポチポチで入力する手間を考えたらMIDIキーボードなんかも欲しくなりますし、
あれよあれよと予算が青天井です。
そこで、iOSデバイスの出番です。
なんと、最近のiOSデバイスにはDAWソフトそのものが存在します。
レコーディングにMIDI入力、波形の出力やプラグインエフェクトを使ったミックスまで可能なものもあります。
まさにDAWソフトの機能を完全に満足しています。
さらにすごいのが、高いものでも6,000円程度であることです。
上記の通り、PC向けDAWソフトと比べると非常にリーズナブルですね。
ただし、iOSデバイスは外部機器の接続に大きな制限があります。
高性能なオーディオインターフェースやスピーカーは、電源が足りないので使えません。
(最近は外部電源とか低消費電力のオーディオインターフェースが出てきましたが!)
ストレージ容量がないのと、アプリの制限があるので、プラグインや音源を拡張するのも困難です。
ところが、この「限られた環境」であるからこそ、あれ買ってこれ買ってというスパイラルに陥ることが原理的になく、
「とりあえず入手したDAWアプリだけで完結させる」ということに専念できるという利点があります。
それにほら、上にちらっと書いたように、オーディオインターフェースも使えないことはなかったり、
スピーカーもBluetoothでとりあえず用意出来たりしますが、あまりごちゃごちゃしてもモバイル環境として美しくありませんし。
次節で具体的にアプリを紹介していきますが、
似たような記事は他のブログにもありますので、「そのアプリの個性」に絞って紹介していきます。
使ったことのあるiOSのDAWアプリ
Cubasis(Steinberg)
あのCubaseを出しているSteinbergのモバイル版DAWアプリです。
Halion Sonic由来の豊富な音色を搭載した音源、リアルタイムレコーディング機能など過不足ない機能が搭載されています。
インターフェースや色合いはCubaseに似ていて、セクションを指でがーっと描いて、
その上にMIDIノートをぽちぽちおいて行ったりします。
他のDAWアプリにも言えることですが、指で音符を操作できるので、マウスやトラックパッドより直感的に操作できます。
なんといってもCubasisの最大のポイントは、「出力したプロジェクトファイルをCubaseで読める」という点です。
Cubaseをお使いの方は、「出先でさくっとスケッチして、Cubaseにそのまんま入力して作りこむ」というワザが使えます。
ちなみに定価6,000円ですが、時折セールで半額になったりするので、
そのタイミングを狙ってください。
Auria Pro(WaveMachine Labs)
PCソフトのDAWに肉薄するくらいリッチな画面と高機能のDAWアプリです。
Cubasis同等の基本的な機能の網羅はもちろん、こちらはとんでもなく贅沢なプラグインが搭載されています。
- Fabfilterのシンセ
- PSP製のチャンネルストリップ
- コンボリューションリバーブ
- ボーカル向けのピッチ補正プラグイン
- サードパーティのVSTプラグインが動く
リッチすぎて意味がわかりません。
チャンネルストリップなんか全トラックに最初からささってるので迷う必要がありません。
プラグインだけで数万円してもおかしくないとおもいますが、
こちらも6,000円。ライト版などがありますが、悪いこといわないので一番上のやつ(Pro)にしましょう。
ちなみに拡張するとFabfilterのPro-Cとか使えるようになります。すごい。
Music Studio(Xewton)
CubasisとAuriaが強力過ぎるのですが、
機能の多さが正義とは限りません。個人的なイチオシはこちらです。
理由は一点、2016年1月現在存在するDAWアプリでステップ入力ができるのはこれだけだからです(ほかにもあったらごめんなさい)。
ステップ入力といっても音価を指定してMIDIキーボードで打っていくアレとはちょっと違いまして、
「音価を指定するボタンを押す」→「置きたい場所に指でドラッグする」→「確定」
の繰り返しなので、若干マウスポチポチのアレに似ています。
しかし、CubasisやAuriaが鉛筆ツールでノートを単純に置いていくのに対し、
Music Studioの入力方法は音の高さと長さをじっくり確認しながら配置していけるので、
リズム感や音感の頼りないわたしのようなひとには一番さくさく入力できます。
音源やプラグインは上2つと比べるとちょっと弱いかもしれませんが、
生音系の音源が拡張課金ライブラリで用意されており、追加投資で全く不足ないラインにもっていけます。
その他比較
よそさまのブログに書いてあるような月並みな機能はざっと比較表にしちゃいました。
実は機能が多すぎて私も試しきれてないので(特にAuria)、
よくわかってない点をだらだら書くよりかは、適当にまとめておきます。
アプリ名 | Cubasis | Auria Pro | Music Studio |
サンプリングレート | 32bit/96kHz(内部処理) | 24bit/96kHz | 16bit/44.1kHz |
トラック数制限 | 無制限 | 無制限 | 127 |
音源 | Micro Sonic(だいたいGM配列を網羅) | Lyra(だいたい生楽器揃ってます) | 拡張パック前提(Band, Classical, Electronic, World) |
おねだん | 6,000円 | 6,000円 | 1,800円 |
リンク | こちら | こちら | こちら |
Music Studioが「愉しく打ち込み」するならいいかなーと個人的には推しです。
価格も安いですし。拡張音源ないとちょっと音色たんないですが。
スケッチしてMIDI吐いて、PCで再編集する使い方には一番向いているかもです。
Music StudioだけフリーのLE版があるので体験版的な使い方もできますし!
まとめ
- 機能で選ぶならAuria Pro
- Cubaseに慣れているならCubasis
- MIDI入力を快適にやるならMusic Studio
ほんとに主観なんですが、Music Studio以外はMIDI入力がひじょーにやりにくいorめんどくさいです。
ただし、コードパッドなどの機能がどのアプリにも入っているので、ものは使いようです。
Cubaseのコードパッドを使ったことがあるならCubasisのそれは全く同じだったりしますし。
DAWアプリはたくさんありますが、今回3種類紹介したのは、
この記事を見たひとが多すぎる選択肢に悩まないためではなく、わたしがこの3種類しか持ってないからです。
また、Xewton Music Studioを推している理由ですが、
普段PCでMIDIキーボードからステップ入力に依存してる楽器使わなさすぎ打ち込み人間が一番使いやすかったのがこれだったからです。
Cubasisなどの入力インターフェースが好きなひとや、
楽器のリアルタイムレコーディング主体の方の対抗記事、お待ちしております。
また、Android端末の事情をよく知らないので、そちらもお話聞けたら嬉しいです。