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MeldaProduction「MMultiAnalyzer」で視覚的にEQコンプ設定を決める方法

   

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ありそうでなかった「帯域・ラウドネスを同時に可視化するツール」です。
御機嫌よう、蟻坂(@4risaka)です。

ミックスにおける「直感的でない」問題

ミックスのEQ・コンプ処理においては、ある程度定石があります。
たとえば、50Hzより下の低音はだいたい削っちゃって良いとかそういうのです。

概ね楽器ごとの周波数帯やトランジェントの特徴があるので、それに応じて必要なところと不要なところを選択して
EQ・コンプ処理をしていく必要があるのですが、
いかんせん、アンサンブルにしたときに「何が不要で何が必要なのか」というのが
トラック単位でアナライザーを挿して見てみても、直感的にわかりません。
コンプに至ってはまともに視覚化できてないので、経験に依存するところが非常に大きいです。

にも関わらず、職人芸的にどの楽器とどの楽器が被るから〜みたいな話だけはあって
その耳よこせって言いたくなるブラックボックス的側面があります。

本記事で紹介するツール「MeldaProduction MMultiAnalyzer」は、
エンジニアの耳ではありませんが、各トラックの周波数帯域・ラウドネスを同時に表示するアナライザーです。

MMultiAnalyzer | MeldaProduction

これを使うことで、どのトラックがどの帯域で衝突していて、
誰が音圧アップの妨げになっているのか見た目で判断できるので、
EQ・コンプ設定を直感や経験ではなく、論理的に決定することができるようになります。

MMultiAnalyzerを使ってみる

使い方ですが、まずCubase、Studio OneなどのVST3対応DAWが前提になります。
理由は、各トラックの波形を入力するために、VST3の機能であるサイドチェーンが必要なためです。

準備

というわけで、トラック間のつなぎはMMultiAnalyzer自身が勝手にやってくれるので、
周波数帯域やラウドネスを見たいトラックに挿して回るだけです。
mmultianalyzer1
EQ・コンプの後でも前でも、見たいポイントに挿しましょう。

スペクトラム画面

どこかのトラックのMMultiAnalyzerを開くと、
こんな感じで、まず各トラックの周波数帯域が全部出てくれます。
mmultianalyzer2

が、灰色でごちゃごちゃしてて何が何だかわかりません。
そこで、左下のトラック情報のところから、
トラックの名前をつけて、アナライザーの色を指定しましょう。
mmultianalyzer2-2
試しにベースだけ色を付けてみました。わかりやすくなりました。
MMultiAnalyzerを挿しすぎてもやっぱり目的のトラックが見づらくなりますので、
3〜4トラック、見たいやつだけ開いて残りはバイパスするのが良いでしょう。
(たとえば、キックとベース、ギターとベースとピアノ、みたいな)

これがわかると何が嬉しいかというと、
「トラックAとトラックBが200Hzくらいで激突してるから、トラックBの200Hzくらいを○dBシェルビングしよう」という判断を
視覚情報をもとに行うことができるようになるという点です。
耳100%に依存しないという点で、初級者にはわかりやすくなるポイントだと思います。

ラウドネス画面

スペクトラム画面の機能はここまでのキャプチャ画面に示したとおり非常にシンプルで、
「複数のトラックの周波数帯域を表示するアナライザー機能」それだけです。

このほか、ラウドネス画面というものがあり、画面の「LOUDNESS&WAVE」を押すと開きます。
mmultianalyzer3

これは相当強力です。
適用したトラックのトランジェントやリリースの音量を確認することができます。

つまり何ができるかというと、
音圧が上がらない!となったときに、
音圧を上げる妨げになっている(飛び出ている)トラックを特定して、
個別にコンプをかけたりボリュームを調整したりする判断が視覚的にできるようになります。

人間の聴覚と信号処理上のラウドネスには違いがあるとされていて、
なんだか「思うように行かない」というときの原因はこの認識の違いだったりします。

その他

ほかにもソノグラムや「COLLISION」という1次元のアナライザー画面のほか、
ステレオ表示したと起きのL-Rチャネルの各トラックの分布を表示する機能もあるのですが、
EQ・コンプの場合特に重要ではないっていうかよくわからなかったので省略します。

ここまでをご覧のとおり、周波数帯域のチェックとラウドネスのチェックはこの2画面で十分行えます。

まとめ

MeldaProduction MMultiAnalyzerを使うと、以下のことができるようになります。

  • 複数トラックの周波数帯域を確認できる
  • 同じく、ラウドネスを確認できる

MMultiAnalyzerをみて分かった情報をヒントにして、
EQのプラグインでシェルビングするポイントを特定したり、
「波形のヒゲ」を作っているトラックをコンプやボリュームなどで
押さえこむという手段をとることができるようになります。

マルチアナライザーだからこそ「犯人を特定する」という使い方ができます。
目で判断できれば、「耳に頼って失敗する」という可能性はまず防ぐことができますし、
よくある経験や勘(=耳の能力)に依存しないミックスが可能になるのではないでしょうか。

こんなもの使わなくてもできるひとはできるんですが、
自分の耳が信用ならないという方にとって、一助となれば幸いです。

ちなみに日本国内で売ってないので、公式サイトからPaypalを使ってダウンロード購入する必要があります。
標準価格59ユーロですが、Meldaは「Eternal Madness Discount」という取っ替え引っ替え色々半額にする企画をやっているので
半額になるタイミングを狙ったほうがお得です。

MMultiAnalyzer | MeldaProduction

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