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Lurssen Mastering Consoleはマスタリングを一瞬で終わらせるチートプラグインかもしれない

      2016/10/03

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マスタリングの悩みを解決するプラグインの新入りです。
御機嫌よう、蟻坂(@4risaka)です。

音楽制作の作業は、大きく分けると

  • 作曲
  • ミックス
  • マスタリング

に分けられるかと思います。これらの手順は全部専業のひとが居るくらい複雑で奥が深いものですが、趣味DTMの場合基本的に全部一人で行う必要があります。
作曲だけでも大変なのに、ミックスしてマスタリングして……と、はじめたばかりの初心者の方にとってはなかなかハードルが高いですよね。

本記事では、このうちの「マスタリング」の作業を秒速で終わらせるプラグインとして、IK Multimediaの「Lurssen Mastering Console」を紹介します。

Lurssen Mastering Consoleでできること

これ、IK Multimediaの信号処理技術とエンジニアの知識が凝縮されたプラグインとなっておりまして、
グラミー賞エンジニアのコンソール環境をプラグイン上に再現して、「手っ取り早く結果を得る」のに特化したプラグインとなっております。

とりあえず音質とかグラミー賞とか御託はいいのでどういう操作ができるかさっさと説明してしまいましょう。

基本はプリセットから始める

立ち上げるとコンソールっぽい画面が出て来るんですが、画面上部から「Style」というのを選べます。

Styleを選ぶ

Styleを選ぶ

これはプリセットのようなものなので、選択すると各種ツマミがそれっぽい値に設定されて、音圧がすっきり上がります。
以上!マスタリングおしまい!お疲れ様でした!

……あまりにも雑なのでちゃんと説明します。Lurssen Mastering Consoleは内部動作が隠蔽されているというのが特徴でして、
Styleを選択すると「それらしく」内部の設定が為され、9割型それで出来上がってしまうという魔法のような仕掛けになっています。

エンジニア的には何が起こってるのかよくわからなくて気持ち悪いかもしれませんが、一方で「結果が欲しい」というだけの初心者〜中級者、あるいはわたしのように作編曲以外の所に時間を割きたくないタイプの人には垂涎ものの仕上がりとなっております。

操作系統1: EQ

とはいえ、一応操作できるものもいくつか存在しますので説明しておきます。

操作系統

操作系統

マスターEQの周波数帯域と「Push」という謎のツマミを操作することができます。

中心のEQ部のツマミで操作できるのは、深さのみなんですが単位が書いてありません。ちなみにQ値は不明で、周波数帯域は固定です。右端の「Push」ツマミは何をするツマミかというと、このEQの全てのツマミを同時に操作するような挙動を示します。

つまり、Styleを読み込んでからPushを操作することで「EQの効き具合」という曖昧な基準を操作することができるという仕組みです。

マスタリングがよくわからない場合試行錯誤して破綻することがありますが、Styleベースで全体を改変という操作になるので、そのリスクを減らすことが出来ます。

操作系統2: コンプレッサー

いちおうコンプの操作部もあります。画面右上の「-□–□–□-」みたいなアイコンをクリックすると以下の画面に遷移します。

システムの中身

システムの中身

はい、これがLurssen Mastering Consoleで隠蔽されていたプラグインの中身のようです。
チューブEQ、ソリッドステートEQ、リミッター、ディエッサー、コンプが接続されています。この接続順序は一切変えることが出来ません。また、パラメータもろくにいじることができません

つまるところグラミー賞エンジニアの環境がそこにあるので初心者は余計なことすんなといったところでしょうか。個人的には「まぁプロが設計したなら」ということでこれで良いです。

ディエッサーのスレッショルド値と、最後に入っているマスターコンプのスレッショルド値、メイクアップゲインだけ一応設定することができます。
何度も言いますがその他の値は一切操作できる箇所が見当たりません

という具合に、「Styleを設定して、あとはどーしても直したいところだけ微調整して終了」という、他のマスタリング系プラグインとは一線を画する設計になっていることがわかります。

Ozoneとの違い

さて、マスタリングスイートといえばiZotopeのOzoneですね。

iZotope ( アイゾトープ ) Ozone7 | サウンドハウス
iZotope ( アイゾトープ ) Ozone7 | サウンドハウス

これとの一番の特徴は操作できる箇所が多いか少ないかです。

Ozoneの操作画面

Ozoneの操作画面

なんか色々並んでますけど、OzoneってEQ、コンプ、エキサイター、ステレオイメージャー、マキシマイザーがまとまったスイートになっているというだけで、
やっていることは個別のプラグインを次々インサートした時と同じなんですよね。なので、各パラメータを全部詳細にエディットすることができますし、もちろん順番も変えられます。
一方でOzoneが強力なのはプリセットも結構たくさん入っているというところで、ミックスがちゃんとできていればとりあえずプリセット一発でプリマスタリングとしては及第点な結果が得られたりします。

で、Lurssenはその「値の設定」についてはエンジニア監修の元プラグインに全部任せてしまうという面白い手法をとっていて、
Styleという形式で結果を手っ取り早く得られるようにしている、といった感じです。
「あとあといじれるようになった時困るなー」と思いましたら、Ozoneとかその他プラグインで良いと思います。

このほか、Ozone7と比べると単純に後発なので信号処理の完成度という点でも結構イケてるかもしれません。

まとめ

はい、肝心の音の話はしてなくて申し訳ないのですがLurssen Mastering Consoleがチート魔法系プラグインだ、という話でした。
マスタリングについてはこれかLANDRでとりあえずぶん投げるのがいいんじゃないかと思います。興味が出てきたら自分でやってみるか、あるいは有償で外注もいいでしょう。

そうそう、初心者の方に勘違いしてほしくないのは、マスタリングは最後の工程であり仕上げという点です。編曲とミキシングがちゃんとできてないと上手くいかないので
マスタリングについてプラグインで補強するのは順位的には多分低いです。まずは曲を仕上げるところについて頑張ってみましょう。

なんにせよ生産性という観点でこれはかなりズルいプラグインです。迷っている方の判断の参考になれば幸いです。

IK Multimedia | Lurssen Mastering Console for Mac/PC and iPad

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