ありんこ書房

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6弦ギターのフリー音源でも、ドロップAの轟音で打ち込みできるようになる方法

   

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ピッチシフトさせてるだけです。
御機嫌よう、蟻坂(@4risaka)です。

ギター音源を使う場合のチューニングの難点

エレキギターの奥深い要素に「チューニング」というものがあります。

標準的な6弦エレキギターのチューニングは、6弦側から「E-A-D-G-B-E」で、これを半音下げして「D#-G#-C#-F#-A#-D#」にしたり、あるいは6弦だけEからDにさげたドロップチューニングにしたりなど、表現やキーの関係で様々なチューニングがあります。

これはギターが簡単に調弦できる楽器だから為せる業であり、打ち込みギターにおいても是非活用したい表現手法のひとつです。有料のギター音源のだと、弦のチューニングを操作することができるものがあり、これに対応することも可能です。

しかし、ギターの打ち込みというのはピアノロールなりMIDIキーボードで行うものです。チューニングを変更すると、MIDIキーボードのEを押したらDの音が鳴るという気持ち悪い現象が起こり、まず鍵盤の見た目の直感と反する音がなるので非常に制作の障害になります。

以前の記事(KONTAKTさえあれば使える、フリーのギター音源3選(1つは無くても使えるよ))で紹介したKMG7やVS FIRST LP FREEはレギュラーチューニングですので、それぞれ最低音はB、Eとなっています。先ほどの「直感的じゃなくなる」課題を払拭しつつドロップAやG#のモダンメタル的な轟音を鳴らすにはどうすればよいでしょうか。

結論から申し上げますと、ピッチシフターで1オクターブ下げることで簡単に実現できます。

ドロップAの轟音をフリー音源で鳴らしてみよう

というわけで早速チュートリアルです。
用意するものはフリーのピッチシフター「Pitchproof」です。まず以下のリンクからダウンロードして準備して下さい。

Pitchproof: Pitch Shifter Harmonizer Specs – Aegean Music

また、ギター音源はKONTAKTがあればフリーで使えるフリーのギター音源「VS BURST LP FREE」を使います。こちらもインストールしておいてください。ちなみにKONTAKTが無い方でも方法は全く同じですので、お手元のフリー音源やサウンドフォントでも可能です。

VS BURST LP FREE (Guitar) | Versus Audio

トラックのセッティング

まず、ギタートラックにの一番頭にPitchProofを挿します。それ以降は通常の音作りと同じです。音作りについては本気でやってるので秘密です(ヒント: 【フリー音源とフリープラグインでメタルのギターリフを打ち込みするチュートリアル】)。2本あるのは左右に振りたかったからです。
pitchproof1

pitchproofを立ち上げ、「PITCH」を「-12」にします。以上!簡単ですね。
pitchproof2

これで1オクターブ下の音が鳴るようになりますので、あとは思い思いにドロップAの轟音を使って打ち込みを愉しみましょう。

作ってみた音源

というわけで適当に打ち込んだ音源がこちらです。

やったことはPitchproofでピッチ補正だけですので、前節で書いた内容がすべてです。音作りやMIDI打ち込み、ミックスは従来の方法と何も変わりません。

「1オクターブ落とす」のがポイント

さて、トラックレベルでは別に問題ないのですが、この方法の肝は1オクターブ下げたことにあります。これを行うと、別に使いもしないドロップFみたいな超低音も出るのですが、それでいいのです。

というのは、1オクターブ下げることによって鍵盤上の位置と実際になる音の高さの関係性を損なわずに音を下げられるのです。
EからみるとAは3音半下なので、ついピッチシフターを「-7」としたくなりますが、そうするとEを押さえるとAがなるのでわけがわからなくなるという問題が起こります。そこを1オクターブ下げることで「Eを押さえればE、Aを押さえればAが鳴る」という状態にできますので、無事解決できます。

もちろん1オクターブ下がった分高音域が出なくなりますが、そこは打ち込みです、Pitchproofを指していないが音作りが全く同じトラックを別に用意すれば解決です。バスを使って音作りは一本化するとプラグインの負荷も抑えられます。

という具合に、Pitchproofでオクターブを下げたトラック、下げてないトラックで擬似7弦ギターを6弦の音源でつくり上げることができます。1オクターブ下げる性質上、8弦(最低音F#)でも9弦(最低音C)でも同様の操作ができます。

あと理由はわかりませんが、打ち込みギターの音って多少チープなやつでも低音域に持って行くと意外とそうでもなかったりするんですよね。あとはエキサイターで倍音を弄ったりEQを工夫するとギターが弾けなくてもどうにかこうにかやりたいようにできるのではないでしょうか。

まとめ

Pitchproofを使って1オクターブ落とすと、フリーの6弦ギターでも7弦ギターの轟音が再現できるよ、という話でした。

なんというか、フリーで既に良い物が揃っている以上、あとは「ひらめく」とか「気づく」とかそういうレイヤーで完成度が左右されるところに来ていると思ってまして、今回の例も「一見難しいけどちょっと頭ひねれば余裕」っていう典型です。
「1オクターブ下げてるだけ」なので気づいている人からしたら何を今更って感じかもしれませんが、多くの人に広めたかったのでここに記事として残してみました。参考まで。

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