ありんこ書房

今日から使える創作ノウハウ。時々エッセイ。ゴシックカルチャー。

フリー音源とフリープラグインでメタルのギターリフを打ち込みするチュートリアル

      2016/03/19

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過去に紹介した音源に味付けして実践編と銘打ってみました。
御機嫌よう、蟻坂(@4risaka)です。

本日のレシピ

まずはこちらをお聴きください。

Heavy Metal Demo(By using virtual Instruments only) by Arisaka on hearthis.at

こちら、本記事のために1時間くらいで制作したデモ(なのでギター大きめ)なのですが、
ギター音源とアンプシミュ周辺は完全にフリー環境で、100%打ち込みで制作しています。
……正確には「KONTAKT用」フリー音源なので完全無料というわけではないのですが。

設定を頑張ればそれなりに聴ける音にすることができますので、
本記事ではこのトラックのギター周辺の設定について手の内を明かそうとおもいます。

KONTAKTさえあれば、他に一切の投資ナシで、打ち込みのみでメタルのリフをつくることができることを示します。

プラグインの準備

使うプラグインについて

ひとまず、肝心のギター音源、音作りをするための
アンプシミュレーターとキャビネットシミュレーターが必要です。
あとエフェクターも欲しいです。今回はシンプルに歪ませるだけなので、
「オーバードライブ」に類するエフェクターをひとつ用意しましょう。

また、詳細は割愛しますが、キャビネットシミュレーターは「IRサンプル」というものを
読み込む必要が有るため、これも用意します。

というわけで、本記事では以下のように揃えました。
ダウンロード方法の説明は省略しますが、リンクをクリックするだけなのでたぶん迷わないとおもいます。
IRサンプルだけストアで商品を購入する(フリーなので0ドルですが)という手続きが必要です。

補足:

エレキギターは普通、弾いたとき「エフェクター→アンプ→キャビネット」という流れで電気信号が伝わります。
ここで、エフェクターは歪みやディレイ、リバーブといった音の加工を、
アンプはエレキギターの微弱な信号を人間がはっきり聞き取れるように増幅する目的があります。
キャビネットは言い換えると「スピーカー」であり、アンプで増幅した信号を
マイクや観客にどーんと伝える役割があります。


エフェクターはギタリストさんが足元をいじってる小さな箱なので
なんとなくイメージがつくとおもいますが、キャビネットはピンと来ないかもしれません。


ライブ会場で見かける大きな四角い箱は、
実はほとんど「キャビネット」の部分であり、アンプはその上にちょこんと乗っている
長方形の箱を指します。
最近はハードウェアアンプシミュレーターがあるので、アンプはもっと小さいことも多いです。
今度ライブのステージなどを見る機会があったら確認してみてください。

インストール時の注意

ここで、MacのCubaseのときに限定しますがちょっとわかりにくいポイントがあるので
説明しておきます。

LePouのアンプシミュとTSEAudioのエフェクターをダウンロードした時、
ZIPファイルを解凍すると「.vst」で終わるファイルが出てくるとおもいます。

これ、どこに置けばCubaseで動くのかよくわからないとおもいますが、
「Macintosh HD→ライブラリ→Audio→Plug-Ins→VST」フォルダに入れればOKです。
hm-installing
もしかしたらパスワードを訊かれるかもしれませんが、ログインするときのやつを入れればOKです。

VSTやAUプラグインの管理はたぶん他のDAWでも同じ場所なので、
たまたまわたしの場合Cubaseでしたが、他のDAWをお使いの方でも同様かとおもいます。

プラグインの設定

さていよいよ本題です。
具体的な設定を順番に書いていきます。

ちなみに論理的な根拠があるわけではなくフィーリングの結果ですので、
この設定が正解というわけではなく、この設定を土台にして色々調整してみてください。

KMG7側の設定

まずKMG7の音源側の設定ですが、
デフォルトで組み込みのアンプシミュレーターが有効になっています。

今回は上記でダウンロードしてきた外部のアンプシミュレーター(VSTプラグイン)を使って音作りするので
二重にかかって音が壊れないようにオフにしておきます。
キャプチャ画像の通り「DRIVE」を「OFF」にすればOKです。
hm-kmg7

以降、ツマミの設定に「○時」という表現が出てきますが、
ギターのエフェクトの設定は時計の針の方向で表現するのが通例なのでそれに倣った形になります。
たとえばツマミが→を向いている場合は「3時」といったりします。

ルーティング

VSTプラグインを挿す順番ですが、
エフェクター→アンプシミュレーター→キャビネットシミュレーターの順にしてください。
実際のギタリストの環境を再現するとこの順番になります。

本記事の場合、エフェクター=TSE808、アンプシミュ=LE456、キャビネットシミュ=LeCab2
という順番にインサートしています。
hm-rooting

TSE808の設定

TSE808は「ブースター/オーバードライブ」と呼ばれるエフェクターであり、
歪みを足す効果があります。元になっているのはおそらく「Ibanez TS808」というエフェクターですので
興味がありましたらググってみてください。

今回の音作りは「ブースターで歪みを盛って、アンプでそれを増幅させる」感じですので
TSE808のDRIVEツマミを11時〜12時くらい、TONEツマミは12時、
LEVELツマミはアウトプットの音量なのでお好みですが3時くらいに合わせました。
hm-tse808
歪み量をコントロールしたいときは、この「DRIVE」ツマミをいじってみてください。

LE456の設定

LE456はかっこいいGUIのアンプシミュレーターですが、
こちらのモデルはおそらく「ENGL Fireball」です。興味がありましたらググってみてください(2回め)。
モデルとなった実機は、メタル向けの音が出るアンプとして有名ですのでこれを使いました。

設定ですが、メタル用のガンガン歪ませた音が欲しいので
こちらのキャプチャ画像のように設定します(クリック/タップで拡大)。
hm-le456
文字で補足すると以下のとおりです。
ちなみにチャンネルとかHigh Gainへの変更は、横にある白い○をクリックすると変わります。

  • ChannelをA(歪むモード)にして、「High Gain」を選んでおく
  • DriveはTSE808で作るので10時くらいで留めておく
  • Bassは2時くらい、Trebleは1時くらいのドンシャリっぽく、Middleは少し抑えて11時くらい
  • Contourはフィーリング(とりあえず10時〜11時にしました)
  • 「Bottom」スイッチと「Bright」スイッチをONにしておく

メタルのリフはトラックの両サイドでざくざく鳴らしっぱなしなので、
ドンシャリっぽくして耳障りが濃い目な感じにするのが良いとおもいます。

LeCab2の設定

God’s CabのIRサンプルをひとつ読み込むだけです。
LeCab側は、一番上のフォルダのマークからサンプルを読み込み、
真ん中のリンクスイッチを押すだけです。
hm-lecab

で、IRサンプルなんですが多すぎてよくわからないので、試行錯誤して以下のものを選びました。
hm-ir
「SM57_TS_grill_edge_pres_1.wav」です。
God’s Cabはたくさんサンプルがあるので、いろいろ試してみてもいいとおもいます。
ファイル名から連想すると「ShureのSM57をスピーカーのグリルの端にセットしたときの再現」になりそうです。

こんな感じで、IRサンプルを選ぶと「キャビネットのどこにマイクを立てて録ったか」をシミュレートできますので
リアルなアンプの音を再現するためには必須になります。

技術的には「コンボリューションリバーブ」とか信号処理の畳込みという仕組みなのですが
詳細はわからなくても問題ないので割愛します。


はい、というわけでTSE808、LE456、LeCabの設定が終わりました。
残りは制作だけなのですが、本記事のデモでは以下の工夫をしています。

  • 同じトラックを2つ作って、左右にL90、R90くらいで振る
  • フレーズっぽいところは3度ハモリでツインギターを演出する
  • EQとエキサイターで抜けを良くする

ちなみにKMG7の打ち込みは説明書をろくに読まないで適当に操作したので
ちゃんとした説明ができません。ごめんなさい。

……というのも乱暴なので、MIDIを上げておきます。
参考になれば幸いです。
奏法は普通のピッキングとブリッジミュートをひたすら切り替えているだけです。

Demo0318.midi

4トラック全部入っていますが、「KMG7」というトラックがギター部分です。
ベースとドラムはチャンネル分けが面倒だっただけの無意味なオマケです。

まとめ

長編記事になってしまったので、読むのに少しつかれたかもしれません。

が、この記事の通りに設定するとそれなりにそれっぽい音が仕上がりますので、
「全くどうやって音作りしたらいいのかわからない!」という方にとって
最初の一歩を踏み出すための足がかりにできれば幸いです。

あらためて作例をもう一度掲載しておきます。

Heavy Metal Demo(By using virtual Instruments only) by Arisaka on hearthis.at

これを機会にしてエフェクターやアンプシミュの操作を楽しめるようになると良いですね。

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