ありんこ書房

今日から使える創作ノウハウ。時々エッセイ。ゴシックカルチャー。

PCとネットを使って他人とのセッション練習を可能にする2つの方法

   

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テクノロジーの進化によって「人と合わせた演奏」もPCで完結できる時代になりました。という記事です。
御機嫌よう、蟻坂(@4risaka)です。

PC練習しかしないひきこもりギタリストの難点

一般に、バンドやセッション経験が未熟であるギタリストは駄目だと言われます。
実際、ソロギタリストでもない限り他の奏者やオーディエンスを観察して演奏をしなければならないので、その通りだと思います。

ひきこもりのコミュ障はセッションができない?

いやーぐうの音も出ません(おい)。

まあ実際そうなんですよね、人と合わせない以上コミュニケーション能力も慢性的に不足しますし、演奏技術が高くてもグルーブ感が無いという奇特な生き物が誕生します。

てことは色々と手段を考えなければならないのですが、これを個人の責任、それこそ見出しに書いたような内容にするのは簡単です。
問題は要因がソレ以外にもあるパターンで、具体的には「周りに音楽を志す人がいない」とか、「田舎過ぎてスタジオが遠すぎる」とか、「身体や心の事情によりスタジオに行くのが困難」とか、人それぞれの事情が絡んで簡単にスタジオセッションだ!といかない場合です。

この場合どうすれば良いでしょうか、という話になるのですが、2016年にはインターネットがあります。パソコンも使いようです。

インターネットで人と合わせればいいじゃん!

というわけでなんとかして出掛けなくても人と合わせて演奏する方法ってないの?という話になります。

現在、コミュニケーションアプリは大量に存在していて、古株だとSkypeなんかが動画や音声のやり取りに強いのは皆さんご存知だと思います。
ということは、Skypeのようにインターネットを使って他人と演奏を合わせる方法は無いのかなという発想に至ります。

ちなみにSkype、ネットワークの遅延が大きかったり音質が悪かったりするなどの難点があるので、リアルタイム性と音質を要求されるセッションではたぶん使いにくいです。
演奏に特化したプラットフォームは無いのでしょうか。

あります。

ネットを活用して人と練習する手段

というわけでここからはインターネットを使って部屋から一歩も出ずにパソコンから人と合わせて演奏するプラットフォームについて紹介します。
この節自体は有名ドコロの紹介なので、若干今更感あるかもしれません。

NETDUETTO

まず外せないのがYAMAHAのNETDUETTO。名前くらいは聴いたことがあるのではないでしょうか。

NETDUETTOラボ

これを使うと、「ルーム」と呼ばれる部屋を作ってそこにメンバーを集めることで即ネットワーク経由でセッションができる状態になります。TeamViewerを組み合わせると画面キャプチャも送信できるので、セッションだけではなく制作などの作業の共同化も可能になります。

実際にセッションした方の動画はYoutubeを探すと出てきます。

聴いた感じ、動画と音声は完全に同期していませんが、セッションの音声については問題なく聴けますね。Skypeと異なり音質は16bit/44.1kHzでできるみたいなので、音質低下についても心配ありません。
というわけで、機能的には十分に相手の演奏を聴きながら弾く、というグルーブトレーニングは十分に行えるのではないでしょうか。フリーソフトですし。

食わず嫌いをしている貴方も安心です、Sleepfreaksさんがチュートリアル動画を公開していますので、この通りにインストールしてルームを作ればすぐにでも始められます.

というわけで、オーディオインターフェースとパソコンは皆さん持ってると思いますので、スタジオ予約が怖いコミュ障でもよく見知ったネットのお友達と一緒にセッションやり放題です。良い感じですね。

さきほどの動画の例ですと、ツイキャスでルームの内容を配信することもできるので、セッションバンドもどきとして「お客さんに聴いてもらう」という機会を部屋にいながらパソコンひとつで用意することが可能です。
誰かを相手に生演奏する緊張感もここで養えそうですね。

JamBlaster

もう一個、マイナーですがKickstarterで見事成功したスタートアップがあるのでこちらも紹介しておきます。
JamBlasterというハードウェア機材です。

JamKazam | Pre-order your JamBlaster now!

公式サイトを見るとまだプレオーダー枠のようですが、楽器をJamblasterに接続してネットワーク経由でセッションが出来る、という点はNETDUETTOと同様に思えます。

NETDUETTOと決定的に異なるのはスマートフォンを使うというところ。今の時代パソコンを持たない若い子も増えてきているようですし、次期を見据えた形式として期待が持てそうです。

使い方はムービーレベルでしかわからないのでなんともいえないところですが、無線でスマホアプリとJamBlasterを接続、楽器の入力をネットワーク経由でスマホから飛ばす、というような使い方のようです。

レイテンシーの少なさ、音質の高さについては公式サイトのスペックを見る限りだと問題無さそうです(NETDUETTOが既に実績を出しているので、不可能とは思えませんが)。

Latency exists in all music performance environments. The speed of sound is so slow (sound travels 1 foot per millisecond) that two musicians sitting 10 feet away from each other will experience 10 milliseconds of delay, or latency, from the time one plays an instrument until the other hears it.

JamBlaster Audio Quality
The JamBlaster uses premium audio components throughout to deliver superb audio quality on par with audio interfaces that were designed only for recording. The JamBlaster delivers up to 24-bit, 96kHz premium audio. Frequency response for mic/line/instrument inputs is 20Hz – 20kHz +/-0.2dB. THD+N is -107dB for mic inputs and <-100 dB for line and instrument inputs.

NETDUETTOと異なり、これが解決するのは「アメリカのとんでもなく広い土地間で仲間とセッションはどう考えても無理」という課題です。スケールが違います。レイテンシーの少なさについては期待して良いはずです。

というわけで、プレオーダーなのもあって予測でしか語れませんが、スマホを土台にするなら面白そうなので紹介しました。

最後にセッション動画も添えてみます。素晴らしく同期してますね。十分使えるのではないでしょうか。NETDUETTOが「そこそこのスペックのPCとオーディオインターフェース」を要求するのに大して、これはJamBlasterさえあればスマホで完結するのが素晴らしいところです。

テクノロジーで地理的、機会的困難を解消できた

さて、NETDUETTOかJamBlasterを使うことでどこにいてもネットワーク経由でセッションを楽しむことができることがわかりました。

これが解決するのは言うまでもなく地理的問題・機会的困難の解消です。先に上げましたとおり「スタジオが遠すぎる」とか「コミュ障だから……」とか色々事情があると思います。

また、「足が悪くてスタジオまで行くのにかなり困難がある」とか「パニック障害でスタジオに行くまでの電車に堪えられない」とか、そういう「今までの手段だと人と楽しくセッションする機会自体を奪われていた人」にも平等に機会を与えられるようにしたところが素晴らしいと思っています。

このほか、インターネットの性質上国をまたぐことも可能でしょうから、今の時代は到底昔では実現できなかったセッションというのも成し遂げられるわけで、そこから新たな音楽の可能性が生まれることだってあるかもしれません。

という具合に、IT技術はバンド演奏の世界にもイノベーションを起こしているので、古来の「スタジオで会って演奏する」のはもちろん良いのですが、こういう部分にも視点を向けてみると色々開けてくるんじゃないかと思います。

インターネットによって人と演奏する楽しさを見つけたり、セッションを体験することで独りよがりな演奏を改善したりできたら、目的は十分に達成できるので良いじゃないですか。

あ、「スタジオの空気感が〜」とか論理的じゃないことを言うのはナンセンスですよ。

まとめ

いかがでしたでしょうか。インターネットを上手く使うことでどこにも出掛けずにネットで知り合った仲間と合わせ練習を行うことができます。これで目的は達成できますので、冒頭に書いたような「ひきこもりギタリストは駄目だ」というよく見る一般論は行動次第で改善できることがわかると思います。

テクノロジーによって、あらゆる事情によって「あるべき機会を奪われている人」にも平等に機会を与えるパワーが、インターネットと技術にはあります。
これによってあらゆる才能がさらに活躍できる場が整備されていくと、全体としても幸せになれるんじゃないかなーと楽観的に考えています。

古くから伝わる手段を否定するわけではありません。しかし、新しい手段にはたくさんの可能性がありますので、それを知るためのきっかけになれば良いなと思います。
あ、ドラムの人どうすればいいんだろう。音が響きにくい電子ドラムって皆さん練習用に持ってるもんなんでしょうか。

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