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ギターのコードストロークの打ち込みが捗るボイシング講座(6弦ルートのバレーコード編)

   

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初見殺しの「F」も打ち込みなら楽をするための味方になってくれます。
御機嫌よう、蟻坂(@4risaka)です。

ギターのボイシングわからない問題

ギターの打ち込み、フリー音源でも最近はストロークの打ち込みに対応してきたものも出てきましたが、それでもついてまわるのが「コードのボイシング」の問題です。

ギターは弦が少なくとも6本あり、フレットを指で抑えてじゃらーんと鳴らすことでコードが鳴る仕組みなわけですが、チューニングの関係でコードのボイシングがピアノのそれとは全く違います

これがなかなか厄介で、手で頑張って打ち込みしようとした場合このコードはどういうボイシングになるんだと結構悩む、というかどうすればいいのかわからないという課題があります。

しかし、実はバレーコードの仕組みを覚えればそんなに難しくありませんので、本記事ではそれについて情報を書いておこうと思います。

抑えておく前提

さて、本題に入る前に抑えておく必要がある前提が2つあります。

前提1: ギターのチューニング

ギターの弦はそれぞれ弾くとなんらかの音程が鳴るわけですが、いわゆる「レギュラーチューニング」と呼ばれる標準的な調律において、
「ギターの弦をどのフレットも押さえないでとりあえず弾いた時になる音」というのは以下のように決まっています。

gt1
太い弦(抱えた時に上に来る弦)から順番にE、A、D、G、B、Eです。一番太い弦を6弦、細い弦を1弦と言います。
いわゆる「チューニング」とは、ネックが湿度で膨張・収縮するなどして微妙に弦の張力が変化し、音程がズレたのをこの「E、A、D、G、B、E」に修正する作業を指します。

本記事で重要なのは何も押さえなかったらこれらを全部合体した音がなるということです。そこだけまず覚えて下さい。

前提2: ギターの音の高さの仕組み

ピアノはCの鍵盤を叩くとCの音がなります。が、ギターはどれがCだって言いたくなるような外観をしています。

また、さきほどのチューニングの関係で簡単にデフォルトの音の高さ自体が変化するので、こういう絶対的な音の高さという考え方は推奨しません。
そこで、とりあえず1点だけ、あるフレットを押さえた状態でそこから1フレットだけ左右に動かすと、半音変化するのを覚えておきましょう。

ヘッド側に1フレットずらせば半音下がり、ボディ側に1フレットずらせば半音上がります。それだけ覚えて下さい。

バレーコードの構成音を考える

さて、前提を簡単に押さえたところで、バレーコード「F」の押さえ方を見てみましょう。

6弦ルートのバレーコードFの押さえかた

ギター初心者殺しと言われる「Fコード」のおさえ方は以下の記事に非常にわかりやすい画像があります。

謎の呪文、『Fが押さえられないから、ギターを挫折した』って、最初に言い出したのは誰?!

押さえ方においてやっていることを文章にすると以下の様な感じです。

  • 人差し指で1フレットを6弦から1弦まで一気に押さえる
  • 中指で3弦の2フレットを押さえる
  • 薬指と小指で4弦、5弦の3フレットを押さえる

ここで、先ほどのチューニングを確認してみましょう。
gt1
先ほど「フレットを押さえる位置を変えると半音変化する」と述べました。何も押さえていない状態で1フレットを押さえると、上記のチューニングから半音上がることがわかります。

そして、Fは「人差し指で1フレットを6弦から1弦まで全部押さえる」ので、まず全部半音上がります
E A D G B E→F A# D# G# C F、ですね。

次に中指。こちらは3弦の2フレット。3弦は何も押さえないとGですが、1フレットを押さえてG#、さらに中指で隣の2フレットを押さえるということは更に半音上がってAになります。

最後に薬指と小指ですが、もうお分かりの通り、3フレットを押さえるので4弦と5弦がD#とA#から全音上がってそれぞれF、Cになります。

まとめますと、バレーコードのFの構成音は、6弦側からF C F A C Fになります。

ずらしたらいくらでも応用できる

で、1フレットを人差し指で覆うのを起点とするとFの構成音になるわけですが、これを、隣の「2フレットを人差し指で覆う」から開始するとどうなるでしょう?

簡単なハナシですが、押さえるフレットを一つボディ側にずらすことになりますので、全部更に半音上がってF#の構成音になります。
このように、バレーコードのボイシングは1個覚えたらあとはずらすだけなので、ピアノと同じ運用が可能になります。
0フレットからヘッド側にずらすのは物理的に不可能なので、今回開設したFが一番低いポジションになります。

ちなみにバレーコードにはもう1種類、5弦をルートに持ってきて6弦を鳴らさないというものがありますが、こちらは一旦本記事では割愛します。
「バレーコードのB」という初心者殺し2号なんですが、以下の記事で解説されています。

ギターでの難しいコード「B」が簡単にできるようになるコツ | mysimasima

6弦ルートのバレーコード「F」の打ち込み

ようやく本題です。ここまでで覚えたボイシングを打ち込みに使ってみましょう。

MIDIに再現する

MIDIに再現する場合、ギターの6弦の音はE2なので、そこから先ほど得られたボイシングでF C F A C Fと積み上げれば一発でOKです。
gt2

で、先ほど説明しましたとおり、これをずらせば6弦ルートのバレーコードのメジャーは全制覇といった感じです。

マイナーコードへの応用

さて、次はマイナーとセブンスへの応用を考えてみましょう。

マイナーコード、この場合だとFmですが、ギターの教則本には「3弦2フレットの中指を離すとFm」と書いてあります。
つまり、先ほどのFの組み立て手順からすると「3弦が人差し指で1フレットを押さえた段階に戻る」と言えます。言い換えると3弦が半音下がります

MIDI上、3弦の音はノートでいえば上から3番目のAですから、これを半音下げてG#にしたらFmのできあがりです。
gt3
そして、「ずらしたらF#やGにできて、ボイシングは変化しない」のは同じですので、これで6弦ルートのバレーのマイナーコード全制覇です。

セブンスコードも簡単です、4弦3フレットの薬指を離すとセブンスになります。
同じように説明しますと、「4弦3フレットを離す」=「1フレットを人差し指で押さえた段階に戻る」=「4弦のFが全音下がる」といえますので、MIDI上では上から4番目のFを全音下げてD#にするとセブンスコードの構成音およびボイシングができあがります。
gt4

マイナーセブンスについては特に説明しませんが、FmとF7の作り方を両方やる(AをG#に、FをD#に)とできあがります。
例によってこの形のままずらせばG7とかAm7とかも作り放題ですので、これで6弦ルートのバレーコードで主要なものは全制覇できたといえます。

いかがでしょう、バレーコードをチューニングの観点から覚えると全然暗記しなくてもボイシングを制覇できますので、打ち込みで迷うことはなくなりそうです。

まとめ

というわけで、ギターのフレットの仕組みとチューニングを理解すると、バレーコードを1個覚えればボイシングは攻略できるよというハナシでした。

ただし、本記事でまだ扱えていないテーマとして「オープンコード」と「異弦同音」、あと「5弦ルートのバレーコード」があります。
これについては今後気が向いたら更に記事を上げようかと思いますが、論理的に考えられる方ならこれを足がかりに全部見つけ出せるはずですので、ご自身で考えてみるのも一興です。

また、ギターストロークの「じゃら〜ん」感を出す方法は以下の記事で取り扱っております。
→ 【Cubaseで簡単!ギターのコードストロークをさくっと打ち込みする方法

ちなみにギターは構造上1つのコードでも押さえ方が複数あり、それについては以下の様なコードブック(押さえ方一覧表)をリファレンス的に扱うほうが効率的です。
本来コードチェンジを自然に扱うなら「バンドマンの手癖的に楽な押さえ方でつなぐ」のですが、考え事が多すぎてもなんなので一旦バレーコードを覚えておくのが良いと思います。

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