動画学習サイト「GROOVE3」がDTMの勉強に使えそう
2016/12/28

ありました、DTM向けのMOOC(といいつつ有料ですが)。
以前、Pixivの「sensei」が素晴らしい!絵のMOOCだ!という話をしました。
(参考記事: 「音MOOC」が無い! 〜pixiv「sensei」に感じる音楽向けオンライン講座不足という印象の話)
MOOCというのは無料の動画授業を指しますのでちょっと違うのですが、そのとき「DTMで同じようなのないのー?」という疑問の提起をしました。プロの演奏家とかエンジニアの講義、聞いてみたいですよね?
最近だとSleepfreaksさんがちょうどそれに該当するようなYoutubeチャンネルを展開していますが、割と基本操作のチュートリアルに寄っている印象でした。
個人的にはもっともっとピーキーな、ロックのミキシングとかオーケストラの組み方とかそういう方面のがないかな、と思っておりました。
そうしましたらこの間偶然「GROOVE3」という動画講座を見つけましたので、本記事ではそれを紹介します。
目次
GROOVE3とは?
GROOVE3とは、Groove 3 Inc.が運営するスタジオツールや作曲、ミキシングなどあらゆる音楽制作に関わる作業のオンライン講座サイトです。
Tutorial Videos for Recording, Mixing & Production
先に断っておきますと有料サービス(ドル決済)ですのでそこは注意してください。
なんでも揃っている
GROOVE3が素晴らしいのはありとあらゆる音楽制作のニーズに対応しているところです。
具体的には、
- 特定のプラグインソフトの使い方(例えばiZotopeのプラグイン、Cubaseの新機能)
- インプロヴィゼーションのやり方
- ミキシングのやり方
- アンプシミュを使った音作りのやり方
- コード理論
取り扱ってないカテゴリを探すのが難しいくらいなんでもあります。あとはやる気とお金を持ってくるだけです。
動画のサブスクリプションか買い切り
有料なのですが、プランは2種類あります。
Access the Entire Groove3.com Tutorial Library
- サブスクリプションに登録
- ほしい動画を買い切り
サブスクリプションの場合、年間$150、1か月間$15、年間パスはセールすることもあるようです(わたしが確認した時は$99でした)。この手の動画授業のサブスクリプションでは国内だとスタディサプリが有名ですが、これが980円/月なので、まあ妥当なラインかと思います。
買い切りだと動画コンテンツひとつひとつに価格が付きます。値段はまちまちですがひとつ$20〜$50くらいです。「ひとつ」といってもテーマごとに10個〜20個の動画がパッケージになっていて、それを購入する形になります。
サブスクリプションと比較するとかなり割高になりますが、大量の動画を見る用事もなかなか無いと思いますので、「必要なものだけさっさと手に入れちゃう」という使い方としてはありだと思います。ちなみに個別動画を買うときもセールする場合があります。
「メタルのミキシング」みたいなピンポイント講座も
わたしが気になったのはついハウツーを探してたら見つけてしまったという経緯からです。
たとえばこちらなのですが、プロのプロデューサー/エンジニアによるメタルのミキシング講座というなんともおいしそうなタイトルです。
Mixing Tutorial – Learn How to Mix Heavy Rock or Metal
全4時間30分で$50。どっかのセミナーとか授業と比べると圧倒的に安いです。内容はトラックの構成からラフミックス、個別トラックの細かいやり方を1つ1つ動画で紹介したものになっています。
このような個別テーマのページを開いた時、いくつかの動画はフリーで閲覧することができるので、購入の参考にすることができます。
これに限らず、トップページから検索をかけるとジャズ・フュージョンとかオーケストラのスコアのテーマもあります。大体お探しのものは見つかると考えて良いのではないでしょうか。
気になるポイント
とはいえ、やっぱり気になるところも少々ありますので、正直に書いてみます。
何もかも英語です
はい、当然なんですが海外のサービスなのでWebサイトも動画の講師の人の説明も全部英語です。決済はPaypalなのでクレジットカード必須です。
ただ、個人的にはこれはどうにでもなるラインです。多少聞き取れたら、動画中のDAWの操作画面を眺めていればわかるのでどうにでもできますし、DTMerの皆様が英語のフォーラム自体に拒否反応を示したりPaypal決済できないというのも考えにくいですし。
海外基準かもしれません
ミキシング講座と、あとギターの音作り講座がもしかしたらそうかも、と思っているところなのですが、「海外のスタジオ基準のハウツー」である可能性があります。
これが良いとか悪いという話ではないのですが、例えばミックスだと日本と海外でなんか違うらしいので、そこに認識の差が生まれる可能性はあるかと思います。
あとメロディとかAメロ→Bメロなどの展開性は結構日本の音楽のほうが得意なところがあって、実際GROOVE3中にもその辺のハウツーは揃ってない印象があります。
まとめ
有料ですが割となんでも揃っているオンラインDTM動画講座サイト「GROOVE3」の紹介でした。
基本的に手を動かしたほうがいいので、まずはネットとか本とかで見よう見まねして、作って作って、それでもどうしようもないときの秘策として使ってみてはいかがでしょうか。多少英語能力は必要ですが。
余談ですが、DTM(Desk Top Music)は和製英語なので、GROOVE3は「Top-Notch Tutorial Videos for Your Studio Tools」です。
Tutorial Videos for Recording, Mixing & Production