ありんこ書房

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何年かDTMやってる自分が「聴くだけ楽典入門」で理論を学び直して見えてきた2つのこと

      2016/06/20

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体当たりで実践→理論 がやっぱり建設的なのかなーと思い始めました。
御機嫌よう、蟻坂(@4risaka)です。

「聴くだけ楽典入門」はやっぱりすごかった

以前、弊ブログで、藤巻浩さんの書籍「聴くだけ楽典入門」を紹介しました。これ非常にわかりやすく、多分現存する楽典入門書の中で一番直感的でポピュラー音楽に使えるんじゃないかと思っています。

音楽理論の勉強がツラい初心者DTMerは、藤巻浩「聴くだけ楽典入門」を読みなさい

さくさく読破してしまえるボリューム感とわかりやすさで非常に素晴らしい書籍でした。
で、ですね。わたしこれを手にとって読み始めましたけどDTMというか作曲歴でいうと結構経っているので、「初心者が入門書を読んだ」というわけではなくて、「改めて学び直した」というべき状況なのです。

そんな中級レベルのDTMer目線で楽典、および音楽理論を学び直したら新しい視点が身についたので共有します。

「聴くだけ楽典入門」で勉強してわかったこと

一旦定義しましょう、ここでいう「初心者」とは、DTM始めたての「機材がいるのかなー理論がいるのかなー」と「何がわからないのかわからない」状態で色々模索しつつ制作を頑張る人とします。一方、わたしは感覚的に何年か曲を適当に書けているレベルです。少なくとも初心者ではありません。

これを踏まえた上で、わたしが「聴くだけ楽典入門」を読んでみて得た気づきは以下の通りです。

「わかっていること」と「わからないこと」を整頓できる

実は結構読み飛ばしてます。あと五線譜が要らないのを知っているので楽典用語は全く覚える気ゼロで流してます(durとかのクラシック用語、楽譜用語)。

理論の話についても、ドミナントからトニックの解決の話とかはもう知っているので「ふーん」って感じで確認がてら適当に流しています。なので、実は半分くらい知ってる内容だった、ということがわかっています。

一方で、これだけ感覚的になんか作ってても半分くらいよくわかってなかったことがわかったと言えまして、例えば減5度から内声3度または外声6度への解決を基本としてコードからメロディを組み立てる方法。
わたしこれ完全に感覚でコードに使えそうなメロディを試行錯誤して載せるということをしていたので、ここを理屈で体得できたのは効率化の面で大きなメリットが増えたといえます。

このように、「わかっていないことを補完する」という使い方ができると何が嬉しいかといいますと、「確実に現在のレベルに必要な要素だけ効率よく拾える」ということです。初心者は何がわからないのかわからないため、正面からなんでも吸収しようとしてイマイチ要領を得ない学習になりがちです。そこを軽量化して自分がほしい情報だけ新たに次への糧にできます。

感覚でやっていたことに理屈で説明がつく

割と勘で作っている方なら共感して頂けるかと思いますが、「過去の自分がなんでこの曲を仕上げられたのかわからない」という現象がありませんか。

これ、つまり自分の制作物を論理的に説明できないと言えるわけで、感覚で作ると「たまたま上手く行ったパターン」が再現できなくなるという問題に陥りがちです。わたしも定石は理屈で覚えてますがたまに生まれる奇跡がなんだかわからなくて後で使えないことがあります。

そんなときに楽典・音楽理論が役に立ちます。
もともと理論はプロが組み立てたテクニックを体系にしてまとめたものですので、本来職人芸的で勘に依存していた「いいメロディ・いいコードワーク」を説明する材料として使えます。つまり、過去の自分が行った謎のテクを後から論理的にあてはめて言語化することが可能になるのです。

具体的には、不気味だけどキャッチーなのは要所要所に2度の衝突があるけど都度解決していたからだ、とか、そのまま作ると並達五度になっていたが無意識に発音をずらして回避していた、とか、「いつのまにかやってたことを理論で説明する」といった感じです。

理論で説明できるようになると、それを適用すればいいだけなのでいくらでも再現できるようになります。自分が作り上げた資産を自由に活用できるようになるわけです。これは大きなメリットです。

もちろんセンスのある方なら瞬間瞬間で得られる情報を手足のように扱うこともできるんでしょうが、わたしは凡才なのでこうやって記録して情報を集めていくほかないのです。読者の方も、多くの場合はそんな感じではないでしょうか。

まとめ

……という具合に、理論を学び直すことで今の自分のレベルに合わせた知識の整理整頓ができて、次に活かせそうになった、という話でした。

センスに溢れる感覚型の中でも特に才能のあるひとだとこんなことしなくていいと思うんですよ。でもわたしは思考が頭打ちしたので整理する必要がありました。また、教材に特に内容が平易な「聴くだけ楽典入門」を選んだのも正解でした。自分の知識と理論書の用語が擦れ違いする可能性が低いためです。

ちなみに全くわからない初心者の人は個人的には楽して実践するところから入るといいという姿勢は崩しません(関連: 【音楽理論の勉強を一旦放置して簡単に楽しくコード進行を組み立てる3つのショートカット】)。「わからないことがわかる」ところに来ると色々自分で考えられるようになるので、勉強も楽しく感じられるはずです。

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