鍵盤弾けないならピアノ音源はEZKeysが最強と断言しちゃう記事
2016/09/23

一言「EZ Keysは凄いぞ!」といいたいだけの記事です。
御機嫌よう、蟻坂(@4risaka)です。
このあいだSynthSonicさんで「好きなピアノ音源は?」というアンケートの調査結果が発表されました。
→ 【好きなピアノ(プラグイン)ランキング2016【SynthSonic調べ】 : SynthSonic】
スコアはわたしの予想通り、PianoteqとIvoryが並びました(PianoteqがIvoryに大差つけてトップなのは意外でしたが)。
つづいてAlicia’s keys、Addictive Keysといった手堅く高音質なピアノ音源が続いていきます。
さて、この人気の傾向として、やはり超高音質のグランドピアノというのが強いのかなーといった印象を受けます。
Pianoteqは物理モデリング音源なので、これに加えてとんでもない容量の軽さと動作の軽快さがついてきますので、人気なのも頷けます。
で、ですね。そんななかでわたしが絶対に推したいのはそちらの記事で6位という中途半端な位置に居る「Toontrack EZKeys」です。
これ、鍵盤弾けないならPianoteqやIvoryより遥かにおすすめしたい最強のピアノ音源なので、本記事ではそれについて書いてみます。
EZ Keysはここがすごい!4選
まぁもしかしたら他の音源とも被るかもしれませんが、後半に述べるものについては間違いなくEZ Keys一強だと断言できます。
なぜ「鍵盤が弾けないなら」という主旨でお薦めするのか、以下を読んでいただければ理解頂けるかと思います。
価格が安い
まず手堅いところから、価格が安いです。
たとえばPianoteq、一番安価なStageがAudioDeluxeで$129くらいです。Proは$519。中間のStandardは$319、です。
Stageもなかなか悪くないので安いと言えば安いですが、EZKeysはJRR Shop価格で何も考えなくても$149一本です。
さすがにPianoteqは分が悪い気がするので、最強のグランドピアノ音源Ivoryと比較してみますと、こちらは明らかにEZKeysに分があって、
$329に対してその半値以下の$149となります。音質はもちろんIvoryのほうが良いですが、「そこそこのピアノ音源」として活躍してくれます。
さて、価格差だけではパッとしませんね?鍵盤が弾けない貴方もPianoteqでいいじゃんってなると思います。次行ってみましょう。
動作が軽い
動作が軽いです。音源自体の容量がサンプルベースのくせに700MBくらいしか無いのが大きく、SSDを組み合わせると全くストレスのない読み込みが実現できます。
Ivoryを始めとした大容量サンプル音源は最近圧縮などで頑張ってきています。
しかし、それでもギガバイト単位が基本で、サンプラーエンジンの完成度に寄っては読み込みに異様に時間が掛かるなどの難点があります。
「軽くてそこそこ良い音」というのは作業効率とかオケに混ぜたときのアンサンブル構成において意外と重要だったりしますので、こういう立ち位置も悪くないんじゃないかと思います。
……で、これに対して物理モデリング音源であるPianoteqは脅威の35MB。
まぁまぁ待って下さい。鍵盤が弾けないけどPianoteqでいいじゃんって思ってるそこの貴方。もうちょっと読んでみましょう。
拡張が多い
EZKeysは拡張音源が非常に多いです。
初期はスタインウェイのグランドピアノだけだったのですが、
- アップライトピアノ
- エレクトリック・ピアノ(ローズ、ウーリッツァー)
- クラビネット、ピアネット
- 小型のアップライトピアノ
- ヴィンテージアップライトピアノ
- パイプオルガン
と豊富に揃っています。
特にパイプオルガンは数あるピアノ音源の拡張の中でもEZKeysにしか存在しないはずです。
オーケストラ音源のオマケとかにくっついている程度の立ち位置が多いパイプオルガンですが、ここまでフィーチャーされている音源はなかなかないのではないでしょうか。
詳細はToontrackのEZ Kesy LINEのページを御覧ください。
で、これに対する最大のライバルはモデリングの特性を変えたらいくらでも楽器を生成できるPianoteqです。
事実、代理店のサイトを見ると木琴、鉄琴、ハープシコードなど鍵盤っぽいところしか共通点がない楽器すら拡張で取り扱っています。
おまけに拡張音源の価格でもPianoteqは安くて、EZ Keysが基本$79のあたりを$59とかで販売しています。
Pianoteq Add-ons | Media Integration, Inc.
さて、ここまでPianoteqでいいじゃん説が濃厚なEZKeysですが、わたしがそれでもEZ Keysを愛用するしかない理由が以下にあります。
チート機能「MIDI BROWSER」
なんと音源自体に伴奏を作り出す機能が組み込まれています。
こちらのキャプチャ、Cの白玉コードを置いただけの例なんですが、専用のMIDIブラウザーからMIDIパターンをドラッグして下のシーケンサーに置いたら伴奏になります。
しかも五度圏っぽい操作画面を使って、この「C」を「E7」に変えるとかを一瞬でできるというトンデモ機能が備わっています。
シーケンサーはもちろんDAW側のBPMと同期しますので、そのまま鳴らしてもなんかそれっぽくなりますし、自分でいじりたいならシーケンサーに乗っているコードをDAWのトラックにドラッグ・アンド・ドロップしたらそのまんまMIDIファイル吐きます。作り込むのが難しいSysEx付き。
五度圏はキーを指定するとそのキーの五度圏になるのでコード進行組むのがよくわからない人も本とこの五度圏を使えば簡単に伴奏が組めますし、
伴奏パターンは基本の白玉からアルペジオっぽいものまであらかじめいくつか用意されています。
以下のような「コード進行だけひたすら列挙してある資料」と組み合わせると、鍵盤弾けない・理論半端なDTM初心者の貴方でもとりあえず伴奏には事欠かなくなります
(セールストークじゃなくてわたしが実際そうだったので断言できます)。
物足りないと思ったら伴奏データがバラ売りされているのでそれを当たってみるのも良いでしょう。ジャズ向け、ゴスペル向けなど様々揃っています。
ちなみにこちらは任意のMIDIパックを6つ選べるバンドルパッケージ。
TOONTRACK ( トーントラック ) / EZKEY MIDI 6PACK / BOX
……という具合に、鍵盤弾けない人からしたら魔法みたいな機能が搭載されているというただ一点で、わたしはEZKeysから離れられないのです。
ちなみにこの魔法みたいな機能、弊ブログでここだけ掘り下げて実際に作ってみるチュートリアルを書いてますので、持っていない人も是非ご参照下さい。すごいですよ。
→ 【 Toontrack「EZKeys」を使って、鍵盤弾けなくてもコード伴奏を1分で作り上げる方法 】
まとめ
というわけで伴奏チート機能のためにピアノ音源はEZKeysだ!Pianoteqなど要らぬ!といいたいだけの狂信者っぽい記事でした。実際Toontrackは好きなメーカーです。
この機能を踏まえると、格調音源のエレピやクラビ、価格帯のちょうど良さ、動作の軽快さがいかの制作の効率化、モチベーションの維持、そして手軽さにおいて役立つものになるかおわかりになるかと思います。
他のピアノ音源は確かに素晴らしいんですが上手に弾けないとせっかくの音質を殺してしまうという自意識があって、いくら良くてもどうにも購入する気が起きません。
また中上級者の方もリアルなピアノのMIDIを参考にする上では結構使えるかと思いますので、検討するのは十分にアリだと思います。
って、「JRRで$149(だいたい16,000円」って言ったんですけど国内のサウンドハウスで11,200円でした。
TOONTRACK ( トーントラック ) / EZ KEYS – GRAND PIANO