DTMerが長く作業するにあたってどんな機材より重要な道具とは?
2017/01/05

椅子です。
御機嫌よう、蟻坂(@4risaka)です。
DTMerの皆様、ブラックフライデーにサマーセール、ハロウィンセールなどとソフトウェアに関しては安売りが目白押しで、ハードウェアも中古を上手く漁ると安く手に入ったりしますよね。そんな感じで作曲に使うツールは上手くお買い物されていることかと思います。
しかし!どんなに頑張ってもやっぱり身体が資本、ということをこの間思い知りましたので、本記事では椅子はいいものを使おうねという話をしておこうと思います。
目次
適当な椅子で作業することの悪影響
もうご想像できているかもしれませんが、作業用の椅子は適当なのを使うと酷い目にあいます。
肩・背中・腰がやられる
座り方とか生活習慣にもよるので一概に椅子が原因とはいえないのですが、慢性的に背面の筋肉にダメージが蓄積します。
座面と背もたれが合ってないことによって、自分の姿勢の保持を筋肉で頑張らないといけなくなるのですが、それが作業によって更に猫背気味になったりすると、頭を肩・背中・腰の筋肉で支えることになります。
一旦猫背の癖がついてしまうと大変で、本来頭は一直線に下に伸びている背骨で支えるべきなんですが、これが筋肉で頑張って引っ張るような状態になり、常時筋肉に負荷がかかった状態になります。
常時負荷がかかった状態になると、腰の筋肉を使う運動、つまり落ちているものを屈んで取るとか、物を持ち上げるとか、そういう運動で負荷が100%を突破します。これがギックリ腰の正体のようです。
ということで、慢性的な筋肉の負荷を防ぐ必要があります。防止の方法としては以下が考えられます。
- ストレッチとかトレーニングで筋肉をつける
- 姿勢を常に意識して生活する
このうち後者については、デスクワーク中心だと座っているときの体勢を道具で整えるというアプローチができますので、本記事のテーマであるいい椅子を使え!という話につながってきます。
「いい椅子」とは?
じゃあいい椅子ってなんだよ?って話ですが、ギターが1万円のものもあれば100万円のものもあるように、実はオフィス向けのOAチェアにはめくるめく高級ブランドの世界が存在します。価格にして10万円台。ですがわたしの中で1、2を争うくらいいい買い物だったのは間違いありません。
で、そういう椅子には以下のような機能が当然のように搭載されています。
- 座面高さ調整
- 座面位置調整
- 背もたれのランバーサポート(腰当て)
- 背もたれのロッキング角度調整
- アームレスト(ひじかけ)の高さ・確度調整
これだけ多機能だと、あとは体格に合わせた椅子をチョイスできればあとは自分の環境に合わせた調整ができます。また、わたしの実績として5年使っても座面も背もたれもメカニカル機構も全くヘタレないので、長い目で見ると安く付きます。
というわけで身体を守る観点・耐久消費財の観点として高級ブランドのOAチェアを紹介してみます。
筆者の「いい椅子」の紹介
わたしは岡村製作所の「バロンチェア」を5年くらい前に使い始めてます。導入理由は腰がやられて背に腹は代えられないと思ったからです(下世話)。あと1日のほとんどを座ってPCの前で過ごしているのもあります。
Baron (バロン)|オフィスシーティング|株式会社 岡村製作所
洗練されたデザイン
オフィス向けチェアというとなんだか無骨で面白くないイメージがあるかもしれませんが、バロンチェアは大量のカラーバリエーションで曲線が多いポップなデザインをしています。
それもそのはず、イタリアのジウジアーロデザインが外観デザインの担当をしています。というわけで見た目は個人的にあらゆるオフィスチェアの中でもイチオシです。
Baron (バロン) Line Up / 品揃え|オフィスシーティング|株式会社 岡村製作所
フレームもつや消しとポリッシュが選べたりします。
また、座面も「クッション」と「メッシュ」が選択できます。メッシュは細かいホコリが詰まるらしいのと、通気性の高さの関係で冬寒いというのを聞いたことがありますので、わたしはクッションをおすすめします。
背もたれも当然ランバーサポートがついているほか、「グラデーションメッシュ」というメッシュの編み込み密度を場所によって変えるという仕組みで、腰の部分は高い密度にしてしっかりホールドし、背中はゆったり包み込むみたいな構造になっています。
ちなみにわたしはグラデーションメッシュを使っています。
「後傾型」というカテゴリ
実はオフィスチェアには「前傾型」と「後傾型」というカテゴリがあります。
その名の通り、前傾姿勢で作業をする人、例えば物書きの人とかの場合前傾型の椅子のほうが良いと言われています。こちらのカテゴリは座面と背もたれが手前にロッキングすることで猫背にならないでかがんだ姿勢になれるというような仕組みです。
一方バロンチェアは後傾型であり、いわゆる「寄りかかる構造」です。背もたれが結構倒れます。前傾型も背もたれ角度は調整できますが、後傾型のチェアはアームレストや座面も「後ろに寄りかかる前提」で設計されており、体重が後ろに預けられるような曲線や角度の付き方になっています。
で、DTMは基本的にどっしり座ってPCと向きあうものなので、後傾型がいいかなーと思ってわたしはバロンチェアにしました。スタジオなんかでは前傾型のアーロンチェアなんかを使っている場合も少なくないので、良し悪しあるかもしれません。
まあアーロンチェア無骨すぎて好きじゃなかったので候補からはずしたんですけども
細身・小柄な人向け
バロンチェアの設計は岡村製作所という日本の会社が行っています。
これに対して、有名所の「アーロンチェア」や「ミラチェア」は外資系の会社です。
これの何が影響するかというと最初にターゲットにした市場でして、アーロンチェアは海外の大きな体型の人に最適化されている印象があります(購入時一応試しに座ってみたんですが、なんだか合いませんでした)。
で、バロンチェアはそこんとこ日本人に合った設計になっているのか、最初に座ってみたとき、アーロンチェアよりもずっと、わたしのそこそこの身長・細身・軽量のひょろひょろ体型でもしっかりフィットしました。細かい体型の数字はとりあえず置いときます。
という具合に、相性はあるのですが細い人にはおすすめできます。
ランバーサポートとヘッドレストはあったほうがいい
バロンチェア、実はランバーサポート(腰当て)もアームレスト(ひじかけ)も、頭を支えるヘッドレストも全部オプションです。
となると何を付けるのか迷うんですが腰と頭は守っとけと強調しておきます。この2箇所を椅子が支えてくれるだけでだいぶ楽になります。
直販で注文しても良いのですが、オプションついたモデルが完成品で売ってるのでそれを選ぶのが楽でしょう(後述)。
アームレスト(ひじかけ)付きでもギターは弾けます
アームレストがあるとギター彈く時邪魔じゃ?と思って迷ったんですが、全然大丈夫です。むしろアームレストが肩への負担を軽減してくれてるのでつけて良かったです。
バロンチェアは座面の前後の位置を調整できます。なおかつ、アームレストの角度を変更できます。ので、座面を前に出して、アームレストを外側に向けて逆ハの字にすると、ギターを抱えても衝突しないスペースが確保できますので、全然問題ありませんでした。
気をつけないといけないこと
とまぁ自分が持っているというだけの理由でバロンチェアの紹介にしれっと入ったわけですが、注意点があります。
人によって向き不向きがあるので必ず試座すること
はい、後傾型、細身の人向けであればバロンチェアは良いパフォーマンスを発揮するかもしれませんが、実際座ったらそうでもない場合があります。理由は椅子の設計と個人の体型と好みが必ずしも一致しないからです。
もしかしたら同じ後傾でも他の椅子のほうが良いかもしれませんし、先程のアーロンチェアの例のように、ひょっとしたら前傾型のほうが向いているかもしれません。
従いまして、実物を見に行って座ってみるのは必ずやりましょう。都内だとIDC大塚家具に一通り置いてあるはずです。
地方だと机とかベッドのブランドを扱うレベルの高級家具店があれば多分その辺にあります。
椅子は万能なソリューションではないこと
最初にちらっと書きましたが姿勢を整えることと体幹の筋肉をつけることを組み合わせないと痛みは解決しません。
つまり椅子だけ良くしてもたぶん肩腰のダメージと戦うのは続きます。完全な解消のためには、継続的なトレーニングや座り方の改善、その習慣化が必須であることを心に留めておく必要があります。
最近だとTwitterでおすすめの体操とか紹介されてますし、ああいう簡単な運動を毎日やるのが良いですね。
おわりに
プラグインを買いまくるのもいいけど、高級チェアに投資するとQoLが上がるよという話でした。
長い目で見るとコストパフォーマンスが良かったりもするので、個人的には優先度高いです。腰壊してからだと遅いので、尚の事律速にしたい感じです(というか、しました)。
ちなみに新品で買う場合はAmazonがオプションの選択がわかりやすいしたまにセールやるのでおすすめです。
ただ、オフィスチェアという特性上決算を乗り越えられなかった会社が売り払った中古が大量に出回っているので、そっちを漁るのもおすすめです(定価の6割くらいで買えます)。