ありんこ書房

今日から使える創作ノウハウ。時々エッセイ。ゴシックカルチャー。

そろそろCD以外の頒布形態も考えよう。Conca(コンカ)が可能にする同人音楽のDLカード頒布

      2016/09/15

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CDに拘るあまり手段と目的がわからなくなっていませんか、と思ったので。
御機嫌よう、蟻坂(@4risaka)です。

物理媒体による頒布

同人音楽の世界は即売会が中心にあります。
従いまして、即売会で売るためには現物が必要=音源はCDに記録して頒布する、というのが主流になります。

一方、最近高品質で有名な太陽誘電がCD-R事業から撤退したことがニュースになりました。

記録製品事業からの撤退について – 太陽誘電(PDF)

光記録メディア製品の市場は縮小を続けています。このような状況に対応するため、当社は原価低減の
加速、生産性の向上およびアーカイブビジネスの推進などを進め、収益性の改善に努めてまいり
ました。しかしながら、想定を超える市場の縮小、および原材料価格の高騰等の影響により、さら
なる収益改善は困難な状況であると判断し、記録製品事業からの撤退を決定いたしました。

最大手の太陽誘電でさえ、CDメディア市場の縮小という現実には抗えなかったようです。

また、昨今の米国音楽市場では、CDの販売よりもダウンロード配信のほうが大きくなっている事実があります。

米国でストリーミング音楽配信が初めてダウンロードを上回り最大市場に。RIAA調査 | AV Watch

このことから、時代は今CDではない形式=配信というスタイルに移り変わっていくことが読み取れます。

同人音楽シーンはそういう「商業的」な音楽市場とは関係ないからCDでいいじゃん?とお考えかもしれません。
が、CD-Rの製造業者が商業市場の大きさを前提に供給できているという事実を踏まえて考えますと、
太陽誘電どころか今後CDメディア自体消滅する可能性だって捨て切れません。
音楽はもちろんですが、ソフトウェアもダウンロード販売が当たり前になりつつありますよね。

同人音楽市場というか日本の音楽がCDにかなり依存している=ガラパゴスであることは事実ですが、
果たして時代の転換期に巻き込まれたとき、わたしたちは流されるがままに慌てて次の手段を模索するのでしょうか。
うーん、なんだか頭のいい人に引き摺られているだけって感じがしてカッコ悪いですね。

……というわけで、クリエイターという肩書なのに後追いしかしないのは非常にダサいので、今のうちに「CD以外に即売会で使えそうな物理媒体」について
抑えておきましょう。本記事では「Conca」と呼ばれるダウンロードカード制作サービスを紹介します。

ダウンロードカード作製サービス「Conca」

本記事で提案しますのはダウンロードカードという形式です。
3DSのゲームソフトとかiTunesカードを買ったことがある方はわかると思いますが、コンビニの店頭でおなじみの、「シリアルが書いてあるカードを買う」というアレです。

で、実は既にCD作製を業者に依頼するノリで自主制作することができます。
それを実現しているのが「Conca」というサービスです。

コンカ | ダウンロードカード・ミュージックカード制作サービス

何を作れるの?

作れるものは先程例に上げましたコンビニの店頭にあるアレにそっくりなダウンロードカードです。

初期は改善点もありましたが、今は台紙にカードを貼り付けてあって、シリアルの目隠しを剥がして、みたいな感じで
完全にiTunesカード買った時と同じノリでダウンロードができるようです。

既存のダウンロード販売サービスの欠点は、「無形なので即売会で売れない」という点と「無形なので所有感がない」という点でした。
Concaなら即売会で売れますし(おまけにコンパクトで売り手は持っていくの楽です)、
クレジットカードサイズなので所有感もばっちり保証できるのではないでしょうか。

できること

ほとんど公式サイトの切り抜きみたいな内容になっちゃいますが、
できることをまとめてみました。

ダウンロードURLへの誘導

ダウンロードカードなので当たり前ですが、URLと同じところに繋がるQRコードをカードの裏面に表記します。
このURLはConcaのサービス側で用意してくれるので、創り手はアップロードするだけです。
つまりダウンロード用の特設ページを作る必要がありません

ダウンロード販売をこういうカードを作って自前で行うときって、セキュアなサイト構築の技術が必要になってしまって
異様にハードルが上がっていたのですが、Concaはフルパッケージで提供していますのでこの点を見事に解消しています。

で、Conca側でシリアル入力ページを用意してくれるので、
買い手はシリアル番号の書いてあるところを剥がして(この目隠しはオプションのようですがほぼ必須ですね)、書いてある内容を入力してダウンロード、という寸法です。

何度も書いてますが、コンビニで販売しているアレの使い勝手をそのままトレースできるので、
今のスマートフォン世代から見た場合CDの取り込みより分かりやすいんじゃないでしょうか。

オリジナルデザイン

ちょうどゲームソフトとかiTunesカードのそれのように、表面に好きなデザインができます。
これでCDのジャケット相当の表現が可能です。ジャケットより小さいですが、
個人的には表現の本質はサイズで語るものではないと考えているので問題ありません。

カード台紙オプション

普通に注文するとカードだけなんですが、「コンビニで売ってるアレ」を再現したい人のために
カード台紙があります。

こちらは色の指定ぐらいしかできなくてデザインの自由度はないのですが、
ちょうどCDジャケットをOPPの袋で包むようなノリで、それっぽさの演出に一役買います。

※【追記2016.05.08】
中の人から誤りのご指摘を頂きましたの修正しました。ご指摘ありがとうございます。

カード台紙もオリジナルデザイン可能です。
従いまして、iTunesカードみたいな派手派手な見た目をつくることができます。

気になったこと

カードデザインを作って、アップロードのサービスを使って投げるだけで、簡単にダウンロードカードを自主制作できます。
基本的なところは完璧に抑えており、CD業者に依頼するように「ダウンロードカードのパッケージング」を完成させることができます。

しかし、若干スタートアップ的なサービスなので、荒削りなポイントもあります。
これについては正直に書こうと思います。

目隠しオプションとカード台紙オプションは創り手の作業

これどういうことかといいますと、「シリアルコードの目隠しシール貼り付け」と、「カード台紙への貼り付け」は、納品後創り手側でやらないといけないんですよね。

仕様 | コンカ・ダウンロードカード・ミュージックカード制作サービス

カードへのシール貼り付けはお客様にて行なって頂く必要があります。
硬貨などで削り取るスクラッチ加工ではありません
:
カードの台紙への圧着はお客様にて行なって頂く必要があります。

てことなんで死ぬほど不器用な私はしくじったらどーすんだってちょっと思ってますが
人が足りないか何かの事情で「わかっちゃいるけど妥協してる」というだけのような気がしてならないので、今後の改善を期待します。
CD-R制作サービスだと、ジャケット制作、袋の梱包などのパッケージングを全部業者がやってくれますからねー。

ダウンロード環境がPC推奨

はい、先ほど「今のスマートフォン世代から見た場合CDの取り込みより分かりやすい」とか書きましたが
そもそもPC推奨なんですよね。
まず音楽ファイル(wav, mp3, aiff)に限って言えばスマホだとダウンロードすらできませんし。

これは形式上仕方がないところもあるのですが(アルバムをzipでダウンロードした場合、スマホで解凍はハードルが高いです)、
そもそもスマホ側の環境が単純に整ってないので、どう改善していくものか悩むところです。

ちなみに、似たようなサービスのFizzkicksは「専用アプリを提供する」という手段によって
ダウンロードして即聴く、というフローを実現しています。
各種ストリーミングサービスも専用アプリを提供して聴かせるという方式をとっているわけですし、同じようにアプリが出来て
同人のダウンロードコンテンツ=Concaを使おう!みたいな空気になってくれたら嬉しいですね。

Fizzkicksと違って音楽以外にも電子書籍(同人誌)とかの頒布も想定しているので、
一般化しようとすると課題があるのかもしれません。今後に期待です。

まとめ

Concaを使うと、以下のことが可能になります。

  • ダウンロードカードを作る(本、音楽、なんでも)
  • コンビニで売ってるiTuensカードみたいな物理媒体で頒布ができる
  • 物理媒体で頒布が出来るので、CDの所有感や開封時のワクワク感は据え置き
  • ダウンロードページも提供されるので、創り手は本当に創りたいものに集中できる

始まったばかりのようなのでいくつか改善点もあり、それは事実としてまとめましたが
次世代の物理媒体としては十分及第点というかもっと広まれって感じですが、いかがでしょうか。

【追記2016.09.15】
というか「気になったこと」とか一応描いては居ますが個人的には絶賛です。
2016年9月15日に凄まじい改善がなされて、クリプトン・フューチャー・メディアの競合サービス「SONOCA」より全体的に小回りの効くものになっています。
詳細はこちらの関連記事【同人即売会で使えるDLカードConcaは、SONOCAよりココが凄い!】を御覧ください。

ちょっと前に「QRコード古くね?」みたいな記事を書きましたが(→【 「QRコードを読んで下さい」が駄目な理由と、それを改善する2つのアイデア 】)、
コンテンツが特定されている場合は買い手側も事前準備が可能なので、障害にはならないと思います(突然現れてQRコード読めと言われるのが問題)。
それよりスマートデバイスだとまだ使いにくい点のほうが気になりますかねー。

この記事を広めたり自分で試したりしてみんなで推進しましょう。同人って閉じてるせいで口コミで広めないと厳しいものがあるので。

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