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今日から使える創作ノウハウ。時々エッセイ。ゴシックカルチャー。

QL Gypsyのヴァイオリンをバンドサウンド畑の貴方に薦める3つの理由

   

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単純にお気に入り音源なのもありますが、オススメしてみます。
御機嫌よう、蟻坂(@4risaka)です。

いやぁ、最近ヴァイオリン音源も増えてきましたねー。

Sample Modeling | The Violin Demos

ソフトウェア音源 「CHRIS HEIN SOLO VIOLIN」 | SONICWIRE

Violin, VST, Virtual Violin

わたしは上記の中だと一番下のBohemian Violinが楽に使えて音質も高いので好きなんですが、今回はあえてそのへんの後発音源をパスして、2007年の音源である「Quantum Leap Gypsy」収録のヴァイオリンが良いよ!という話をしてみようと思います。

Quantum Leap Gypsyとは

Quantum Leap Gypsy(以下Gypsy)とは、EAST WEST社からリリースされている「ジプシー系特化音源」というなんともニッチジャンルの音源パッケージです。

High Resolution | EastWest | Quantum Leap Gypsy

具体的には、以下の楽器が収録されています。

  • ヴァイオリン
  • アコーディオン
  • トロンボーン
  • アコースティックギター
  • パーカッション(カスタネット、フラメンコステップ)

明らかになんか地中海っぽいサウンドを作るのに特化しているのが分かるかと思います。つまり、見方を変えるとGypsyに収録されている音源はオーケストラ系音源や総合音源のそれとは趣が違います

この「趣」がポイントなんです。以下で述べていきましょう。

Gypsyのヴァイオリンがバンドサウンドに合う理由

オーケストラ系の音源と異なり、Gypsyに収録されているヴァイオリンとトロンボーンはなんだかはっきりくっきりした音が出ます。

ギターと一緒でヴァイオリンもモデルや鳴らし方によっていろんな音がする楽器なのですが、Gypsyのヴァイオリンは数あるヴァイオリン音源の中でも特に個性的な音が出るような気がする……と、わたしは思います。

というわけで、ヴァイオリン音源としてのGypsyはバンドサウンドに向いているという話をしていきましょう。

Gypsyのヴァイオリンは音が明るい

Gypsyのヴァイオリン、一聴してすごく元気な音がします

……というのも感覚的なので、アナライザーにかけてみました。比較対象は冒頭で書きました「Bohemian Violin」です。こちらはクラシック系の暗い音がするソロヴァイオリン音源です。

というわけで御覧ください。

アナライザーにかけてみた

はい、全く同じAの音を鳴らしたのをキャプチャしてみました。赤がGypsy、青がBohemian Violinです。
ご覧の通り、なんだか1kと2k付近の倍音が妙に多いんですよね。あと低音の量感。これが「元気に聴こえる成分」の正体かと思います。ちなみにリバーブ入れても切ってもこの傾向は変化しません。

で、1k2kといえばボーカルのメロディとかスネアが抜ける帯域なので、バンドサウンドでも綺麗に抜けてくれるのだと思います。バンドサウンドといえばギターの壁にベースやドラムの重低音が包み込むやかましい轟音地帯で、そこをバイオリンが刺さるためには「埋もれない音」であることが重要ですので。

そういった抜けを演出するためにはEQの工夫やエンハンサーを使う手がありますが、Gypsyはもともと明るく元気な音がするというわけで、ある程度適当にバンドサウンドに突っ込んでも綺麗に出てくれると言えそうです。

Gypsyのヴァイオリンはアタックが早い

もうひとつバンドサウンドに突っ込むにあたって大事な要素があります。バンド楽器の派手でアタックが強い音についてこれることです。

Gypsyのヴァイオリンにはそのポテンシャルがあります。具体的には他のヴァイオリン音源と比較してアタックがやたら早いです。

こちらもBohemian Violinと比較してみましょう。音源を作ろうかと思ったんですが一緒に鳴らすとわけがわからなくなったので普通にメーカーデモ音源で。

まずこちらはBohemian Violin。音の始まりの音量(アタック)に注目してください。

とりあえずいい音ですよね。ただ、ソロヴァイオリン音源に共通してあるもったり感というか、アタックの調整は頑張らないと行けない感じがします。

次にGypsy。こちらの動画の4:50からヴァイオリンの紹介です。

立ち上がりがやたら早いと思いませんか。

今回はBohemian Violinと比較しましたが、クラシック系のソロヴァイオリン音源と比べたときのGypsyのアドバンテージは、先ほどの明るい音に加えてこのスピードがあるかと思います。

なぜならば、バンドサウンドってみんなアタック超早い楽器じゃないですか。エレキギターにしろドラムにしろベースにしろ。そうなると、ジャストタイミングで音を鳴らせないとやっぱり埋もれる可能性があるわけで、そのためには前節で説明した「明るい音」だけではちょっと力不足なわけです。

それを補うのがこのアタックの早さ。音の明瞭さも相まって、まさに「くっきりはっきり聴こえる音」を体現してくれます。

Gypsyのヴァイオリンは操作性が悪くない

さて、音源として見たときに外せないのは操作性ですが、そんなに悪くありません。

GUIの大雑把なガイド

一見複雑な画面なんですが、左上はディレイ、右上と右下のツマミは何故かエンベロープなので基本的に弄る必要はありません(必要なら外からエフェクト挿してもいいですし)。左下はリバーブなので、お好みでプリセットを選んで調節すればOKです。

奏法の変更は左端のキースイッチで簡単に切り替えられますので、61鍵のMIDIキーボードがあればそれなりに直感的に音を鳴らすことができます。キーボードなくても特定のキーで奏法が切り替わるだけなのでそんなに難しくありません。

奏法はピチカートやスピカット、トレモロ、スフォルツァンド、レガートなど、少なくともバンドサウンドやゲーム音楽にちょっと混ぜる程度であれば過不足ない程度に揃っています(その辺は流石に後発のヴァイオリン音源と比べると自然さなどの点で負けます)。

欠点: PLAYエンジンの挙動が怪しい

Gypsyを始めとしたEAST WEST社の音源は「PLAYエンジン」という独自開発の音源エンジンを使っており、それにサンプルファイルを読み込んで動かす方式を取っています。

ピンとこない方は、Halion SonicとかKONTAKTに音源を読み込むときのHalion Sonic本体とかKONTAKT本体(音源を動かしているプログラムの方)に相当するものだと思ってください。

で、これがプロ・アマ問わず有名なんですが、PLAYエンジンは異様に動作が遅くて不安定であることに定評がありまして、音源の質自体は非常に高いのですがそれが本当に玉に瑕です。

ただし、この間メジャーアップデートしてバージョン5になった瞬間に急に高速化&安定しだしまして、今から導入するならまぁ言うほど酷い目には合わないと思います。Cubase 9がリリースされたら今度はCubase 9で動かすと不安定になり始めましたが。

「Gypsyいいかも!」と気になった方は一応この点だけご留意ください。

まとめ

EAST WEST社が2007年に出した音源「Quantum Leap Gypsy」収録のヴァイオリンは元気ではっきりした音が出るので、バンドサウンドに向いてるよ!という話でした。ちなみにゲーム音楽にもイケます。

言うまでもありませんがアコースティックギターとかトロンボーン、アコーディオンも同様にはっきりして派手で即戦力になってくれる非常に良い音源です。近年はセールもやっていますし、Composer Cloudを使うとサブスクリプションで使えたりもするので、その辺の音源を探していた方はいかがでしょうか。

High Resolution | EastWest | Quantum Leap Gypsy

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