iPadをMacやPCと組み合わせてDTMに使う5つのアイデア

若干思考実験的ですが、iPadアプリをMac・PCでの音楽制作に活かすアイデア集です。
御機嫌よう、蟻坂(@4risaka)です。
以前、iPad単品でDTMするならこういうアプリがあるよ……という紹介記事を書きました。
(参考記事: iPadでDTMしてみよう | iOS向け、3つのDAWアプリの紹介(Xewton贔屓))
今になってちょっと気になったのは、それでもまだまだ腰を据えてMac/PCで作るのが主流であるという点。したがいまして、タブレットPCでしかないiPadはやはり補助器具的な使い道を考えたほうが良いのでは、と思いました。
そこで、本記事では、iPadの大きな画面をうまく活用して、MacやPCでのDTMに活用するためのアイデアを考えてみました。
目次
Mac/PCでDTMするときのiPad活用法
iPadのいいところは「画面が大きいこと」につきます。従いまして、iPhoneで同じことができても視認性が高いことがメリットになります。
また、iPad ProだとCPUとRAMがハイスペックである点から、少々重たい処理でも任せることができますので、そちらも1点紹介します。
アイデア1: 譜面台として
まず月並みなところから。大量の楽譜を使う用事がある場合、デスクトップの1画面で頑張って切り替えるよりも、サブディスプレイ的にiPadを使うほうがオイシイことがあります。
アプリ「piaScore」を使うと、ギターのタブ譜やピアノ譜面をiPad上に表示することができます。
また、piaScoreは書き込みも可能なアプリですので、iPad Pro + Apple Pencilの組み合わせで紙楽譜ライクな操作性を得ることができます。
コピー等の用事がある場合、電子楽譜(PDFなど)を活用してDAWに落とし込む際に威力を発揮しそうです。
アイデア2: コードなどのアイデア素材として
iPadアプリの大きな画面は、見やすいだけではなくタッチを大雑把にできることからくる操作性の高さも魅力です。
そこで、コードを鳴らしたりコードプログレッションを組み立てるアプリを活用すると、楽器が弾けない人でも「その場でコード進行を鳴らして組み立てる」というようなことができるようになります。
アプリ「Chordbot」は、ピアノやギターの音でコードを鳴らすことができるアプリです。
BPMと音色を指定して任意のコード進行を組み立てることができます。転回コード等にも対応しています。
この他、打ち込みギターのボイシング組み立てには「G-Chord」で構成音の順番を把握する使い方ができます。
Mac/PCの画面と目線をいったり来たりする場合、大きな画面ですぐに一覧できるのは、地味ですが効果的です(経験上、iPhoneだと端末を一回持たないといけないので面倒です)。
一応iPhoneだと「Chordboy」というアプリを過去に紹介したことがあります。
(参考記事: 楽器が弾けないけどコードを鳴らしたいひとのためのiPhoneアプリ「ChordBoy」が便利)
アイデア3: DAWコントローラーとして
一部DAWに限定されますが、スマートデバイス向けのコントローラーを出しているところがあります。
わたしが使っているDAWのCubaseでは、「Cubase iC Pro」というアプリが出ています。
DAW画面を間接的に一覧する機能なんかはレコーディングブースでの使用を想定したものになっているかと思います。わたしが着目するのはキーコマンドページ機能でして、これを使うと「よく使うショートカットをiPadから叩く」ということができるようになります。
このほか、フェーダー操作なんかもできますので、iPadくらいの画面サイズならばフィジコンライクに使用することができます。そう考えたら2,000円でも安いもんです。
ざっとApp Storeを検索した感じ、LogicとDigital Performerにも類似のコントローラーアプリがあるようです(DP ControlはiPhoneアプリ)。
アイデア4: MIDIキーボードとして
大画面でミスタップが少ないという観点から、MIDIキーボード化するというアイデアがあります。
iPhoneアプリ「Midi Studio」はiPad版も存在します。
大画面でMIDIキーボード、X-Yパッドを操作でき、ほとんど遅延なくMIDI入力ができますので、ミニマルな機材環境を実現するアイデアとして最適かと思います。
Midi Studio本体に関する詳細は、iPhone版ではありますが以下の記事にまとめてありますので、よろしければ御覧ください。
(参考記事: 480円でiPhoneをMIDIキーボードにしてしまうアプリ「MIDI Studio」が凄い)
アイデア5: サブディスプレイとして
iPad Proの強力なCPU性能と大画面をフルに引き出す使い方は、やはりサブディスプレイ。ここまで色々書いてきましたが、やはりこれが本命でしょう。
サブディスプレイ化アプリには多数ありますが、DTM用途だとSplashtopがおすすめです。ディスプレイが840円は安すぎます。
これをiPadに入れる他、Mac/PCにSplashtopのデスクトップアプリをインストールして、認証手続きをとることで、あなたのiPadがディスプレイになります。無線で接続してネットワーク経由で画面を表示するので、ケーブルなどの準備は必要ありません。
また、ネットワーク経由で接続して表示しているにも関わらず、恐ろしいレスポンスの早さで全く不便さを感じさせません。
Retinaの高解像度と大画面が相まって全く問題なく写してくれますし、指でマウスポインタを操作できるのがフィジコンっぽくて非常にやりやすいです。
専用のドライバをインストールするとサブディスプレイ化できますので、「コンソール画面を常時映しておく」という使い方がおすすめです。ワークスペースをがちゃがちゃ切り替える手間を省けます。
ちなみにSplashtop、拡張パックを買うとどこに居てもWi-Fi経由でご自宅のMac/PCにリモートアクセスできるようになります。DTM用途だとなかなか使いにくいかもしれませんが、iPad Proの大画面でリモート操作できるのは非常に魅力的です。……電池をドカ食いする以外は。
まとめ
以上、iPadを補助ツールとして考えたときのDTM使い方アイデアでした。
- 譜面を表示する
- コードのアイデア帳にする
- フィジコンにする
- MIDIキーボードにする
- サブディスプレイにする
アプリという拡張によって、スマートデバイスは無限の可能性を秘めていることがわかりました。わたしがここの書いたのはほんの一部だと思いますので、面白い発明をしたら是非広めてみてください。