ありんこ書房

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DTMを始めるのに音楽の成績は関係ない

      2017/02/21

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いわゆる「音楽的なスキル」と言われているやつは大体なんとかなります。
御機嫌よう、蟻坂(@4risaka)です。

DTMとはパソコンを使って作編曲をすることですが、やはり「作曲」に分類される以上、古典的な音楽スキルを要求されるのではないか、という意識が働きます。

そうすると気になってくるのは小中学校の音楽の成績ですが、結論、全く関係ありません。なぜならば、それらの古典的な音楽知識はDTMでは必須ではないからです。根本的に異なる考え方が必要なので、むしろ皆スタートラインは一緒と言えるでしょう。

そこで、なんとなく「作曲」とイメージして「あー、これは必要そうだな、自分DTM向いてないかなぁ」とか思っちゃいそうなアレコレを1個ずつ否定して、ハードルを下げてみようと思います。本記事を読んで、うずうずしている貴方も今日からDTMer!

できなくても大丈夫!一見重要なスキル

ステレオタイプな作曲でイメージするあれやこれやがまず思いつくかと思いますが、パソコンで作曲することにフォーカスするといずれも必須ではありません。順番に説明していきましょう。

1.楽譜(五線譜)を読める

はい、まずわたし自身五線譜を全然読めません

五線譜といえばト音記号、4分音符といった記号に加えAllegroやAndanteなどの速度標語なんかが大量にあります。調号の概念も覚えなければなりません。ドラムは専用のドラム譜、ギターやベースはTab譜という別の楽譜になるので、これまた覚えなければなりません。

……えーと、やってられませんよね。わたしも音の高さくらいは当てられますが記号はさっぱりです。

ではそれでも制作ができるのはなぜか。ピアノロールという独特の画面を楽譜の代わりに使うからです。

ピアノロール

ほらこれ、鍵盤のどれと音の高さのどこが対応するか一目瞭然でしょう。「C2」とか書いてあるのがドの音です。
ですので、例えばCのコードは「ド、ミ、ソ」なのでこう置けばその通りになりますし、音の長さは横軸で簡単に見てわかります。8分音符とか三連符とかありますけど、どうせパソコンですから鳴らせばどんなんか分かるので正確に理解して無くても大丈夫です。

Cのコード

もちろんこれはこれで覚えないといけないことはあるのですが、それは用語ではなく操作方法のほうですし、そんなもんいじってれば勝手に覚えます、五線譜を頑張って覚えなくても直感的に馴染むことができるのはなんとなくご理解いただけるかと思います。

2.音感がある

はい、わたし自身たまに訊かれるのが「作曲やってるんだ、じゃあ音感があるんだね」という話ですが実際は劣等生も甚だしいです。

音感には、聴いた音を「ド」とか「ラ」と音階名で即座に応えられる「絶対音感」と、ある音の高さを最初に知った上で、その音からどれくらい高い・低いかを判別できる「相対音感」というものがあります。前者は幼少期に訓練しないと身につかないと言われていますね。

で、わたしは相対音感も怪しいです(実際音痴なのでボーカルとか絶対できませんし)。鍛えれば伸ばせるんですが向上心がありません。その理由はこの見出しの通り「必ずしも優先して習得しなくてもなんとかなるから」です。

さきほどピアノロールをお見せしましたが、パソコンで作曲する以上音を鳴らすのはパソコンの音源なので、「ドを鳴らせ」って言ったら絶対ドが鳴るんですよ。人間の場合「ドを出したい!」と思ってもズレるんですが、それが起こりません。

むしろピッチベンドとかいろいろ加工しないといけないので、狙ってずらすほうが大変です。

代わりに必要になってくるのは「この時はこの音を鳴らしても良い」と判断する知識、すなわち音楽理論、ないし不協和を感覚的に判断する耳のほうでしょう。というか音感があっても音楽を組み上げる能力が無いとハーモニーが破綻するので、こちらのほうが圧倒的に重要です。
参考: 音楽理論の勉強がツラい初心者DTMerは、藤巻浩「聴くだけ楽典入門」を読みなさい

3.楽器を弾ける

パソコン作曲においてもレコーディングはあるので「弾けたほうが良い」のは確かですが、別に弾けなくても大丈夫です。

またさきほどのピアノロールの話に戻りましょう。このピアノロール上では音符の代わりに「ノート」という長方形の記号を置いていくわけですが、この最も基本的な置き方はマウスでピアノロール上の置きたい位置をクリックすることです。

音の長さを決めて、置きたい所をクリック

すなわち、そこに楽器演奏のような技術やリアルタイム性は一切関与しません。マウスをクリックすることができれば音を発生させられます

あとは音楽理論などの知識をもとに、どこにどういう音を置く、というのを考えて組み上げて、再生しておかしなところを直して……というのを繰り返せば曲ができます。極論に見えますがDTMによる作曲作業を突き詰めるとこれに行き着くと思います。

ただしマウスによる入力はポチポチ1個ずつ置く関係で忍耐が必要で、根性のないわたしは鍵盤を弾けないけどMIDIキーボードを使って入力するという方法を取っています。なぜそんなことができるのかは以下の記事を御覧ください。

一方で、マウスでぽちぽちすると難しい楽器(ギターとか)があるのも事実ですので、これについては打ち込み方法を工夫するか、専門の音源の力を借りるのがよいでしょう。
参考: 鍵盤弾けなくても25鍵ではなく61鍵MIDIキーボードを導入した3つの理由
参考: 鍵盤が全く弾けないDTMerがMIDIキーボードを持つことによる3つのメリットと1つの真意
参考: Cubaseで簡単!ギターのコードストロークをさくっと打ち込みする方法
参考: KONTAKTさえあれば使える、フリーのギター音源3選(1つは無くても使えるよ)

まとめ

楽器・音感・楽譜といった音楽の授業でハードルを高く感じがちな音楽的素養について無くても大丈夫大丈夫という話を根拠とともに行ってみました。

べつにこんな長い文章書かなくてもわたしの存在自体が反例なので、とりあえずやってみたもん勝ちです。

ただし、楽譜を読めたり音感があったり楽器を弾けることはDTMにおいてもアドバンテージになるのは事実ですので、「できない側」である我々は用意周到に食いついていかないといけません。そこは頑張りましょう。

 - DTM/作編曲, 方法論 ,