ありんこ書房

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元教則本コレクターが選ぶ、DTM初心者向け最強の書籍6冊

      2016/10/26

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1冊ボイトレ本が混ざっているので、インスト系作曲なら4冊で十分な入門・教則本紹介です。
御機嫌よう、蟻坂(@4risaka)です。

突然ですが、DTMの本、多すぎませんか?

初音ミクの誕生を皮切りに、DTMはブームになりました。これに伴い、DTMに関するメディアも勢いを増し、例えばDTM Magazineが平積みになるような現象も見られました。
影響を受けて、DTMを始めてみる方もたくさん出てきたんじゃないかと思います。

こうなると発生するのが似たようなハウツー本の大量発生で、特に書籍の分野は、良質なものとそうでないものとの落差が激しいので、
なるべく適切なものを選んで読まなければ時間とお金を無駄にしてしまいがちです。KDPで個人出版ができるようになったのでなおのこと。

となると、まず「変な本を掴まないためにはどうすればいいのか」という情報を書いたほうがいいかなーと思いまして、一時期教則コレクターだったときの経験を活かしまして、
「基礎を抑えるならこれ持っときゃ他にはいらないよ!」と断言できる推薦図書を5冊ご紹介いたします。

DTMの勉強に使える書籍5選

わたしが持っている・使ったことがある・必要性を感じて買った、という事実に基いて分類しております。全部使ったことがあるので、他の本より「これがいい!」と太鼓判を押せるものです。

ちなみに、DAWの操作に関する本は持っていません。なぜならば、わたしは勘でどうにかするかググる派だからです。あしからずご了承ください。

楽典・音楽理論

まず音楽の基本のきと呼ばれる「楽典」。クラシックにおける音楽の体系をきれいにまとめた仕組みになっています。

わりと最初はネットの資料を見ながらテキトーに作ってもどうにかなるんですけど、色んな曲を作ろうとするとどうしても避けて通れなくなってくるのが音楽理論です。

これについては、藤巻さんの「聴くだけ」シリーズがまちがいなく最強です。あらゆる音楽理論の教本がなし得なかった「本の内容をCDで聴きながら覚える」というスタイルをとっている唯一の本です。

「聴くだけ」というのがポイントで、CDのトラックとページが対応しており、藤巻さんが本の文章を読んで、それを音を鳴らしながら解説するという方法をとっているため、非常に直感的です。

従来の音楽理論の本は文章100%ですので、どうしても鳴っている音を確認しようとすると手元にピアノなどが必要であり、DTM時代に即したものではありませんでした。

ところが、こちらは音源に合わせて学習ができますので、楽器の弾けない貴方でも、解説されるものが何なのかすんなり覚えることができます。

具体的には「セブンスコードはトニックに着地したがる性質があって〜」みたいなよくあるものも、文章だけだとわかりにくいのですが、この本は音源と合わせて読むと同時にG7→Cを耳で聴けますのでその理解の早さは段違いです。

弊ブログでは個別に記事書いてますので、よろしければご覧ください。
→ 【音楽理論の勉強がツラい初心者DTMerは、藤巻浩「聴くだけ楽典入門」を読みなさい
→ 【何年かDTMやってる自分が「聴くだけ楽典入門」で理論を学び直して見えてきた2つのこと

「楽典入門」だけあってクラシックを土台にして近年のポピュラー音楽向けにカスタマイズしたものになります。したがいまして非常に基礎的です。

もし色んなジャンルに手を出すために、そのジャンルのコード理論やアレンジテクニックを学びたい中級者の方は、同シリーズの「コード編曲法」がおすすめです。
「聴きながら勉強するスタイル」であるのは、こちらも同じです。

ミキシング

音楽理論をてきとーに(重要)覚えると、スケールとコードの知識がいくらかつくので、メロディとコードをつける、つまり作曲と編曲ができるようになります。

しかし、DTMの厄介なところはミキシングも全部やらないといけないことです。しょっぱなから他人に依頼するのもなかなか勇気が要りますよね。
また、依頼するにも要点は抑えておかないとどうやって依頼すればわからないので、こちらも覚えておきましょう。

え?最近はiZotope Neutronがあるから全部自動じゃん?いやいや、アレだけだと実は落とし穴があります。なので知識はいくらか必要です。
(参考記事: 初心者が見落としがちな、iZotope Neutronでできない重要な3つのこと)

で、きになるおすすめの本、昔では考えられないくらいミックスの本も充実してきましたが、これについては断トツで石田ごうきさんの本がおすすめです。個人的にコレ以外考えられません。

どうもエンジニア視点でいきなり発展的な知識を書いている本が多いミックス本の中で、全く何も知らない人向けに書いてある唯一の書籍です。衝撃的すぎてこの本だけ詳細をブログに書いてますので、よろしければ御覧ください。
→ 【石田ごうき著「音圧アップのためのDTMミキシング入門講座!」は、ミックス初心者のためにある本でした。

こちらも、後半はボーカルプロダクション向けの説明が多いので、音楽理論の本と同様に半分くらい読んでさっさと実践するのがツラくなくて良い感じです。

また、ミックスについてはインターネットの資料を併用したほうが音の確認と資料の読み込みを即座に切り替えられる点でアドバンテージがあります。
その辺は以下の記事にまとめてありますので、よろしければ併せて御覧ください。
→ 【DTMのミックス・マスタリングに役立つ無料の資料まとめ
→ 【斬新な手法でミックスの実践的な勉強ができるオンライン講座「Pro Audio Essentials」を紹介するよ

上記に限らず、弊ブログではわかる範囲で非常に基礎的な内容であれば記事にしていますので、こちらも参照ください。
→ 【初心者DTMerのための、今さら訊けない基本的なEQカーブの書き方
→ 【DTM初心者が陥りがちなリバーブの4つのミスとその対処

で、ミックスの次といえばマスタリングなんですが、一応この本がおすすめです。

こちらの本はCubaseを土台に書いてあるというのがポイントで、多くの書籍がPro Toolsなどという難解なソフトウェアとWavesなどの高級プラグイン前提だったりする中でCubaseと付属プラグインで例を書いてあるのでプラグインの置き換えを考えなくていい分楽です。

……が、最近のテクノロジーは物凄いので、個人的には自動マスタリングサービスに投げちゃうのも手かなーと思います。これについては、自動マスタリングサービス「LANDR」と「eMastered」について実際に使ってみたので、以下の記事を御覧ください。
→ 【全自動マスタリングサービス「eMastered」と「LANDR」を音源付きで比較してみた

あとお金を出せるならチートプラグインで一発という荒業もあります。プリセット選んでぽん、です。もう趣味ならこれでいいんじゃないかな……。
これについては、IK MultimediaのLurssen Mastering Consoleを使ってみた話を記事にしてみましたので、よろしければどうぞ。
→ 【Lurssen Mastering Consoleはマスタリングを一瞬で終わらせるチートプラグインかもしれない


はい、ここまでで作曲と編曲とミックスについてまとめました。インスト系の場合、あとは音作りとか細かいところの話になってくるので一旦知識面としてはこれで十分かと思います。

以下、歌モノを創る場合に外せない「作詞」「ボーカル」についてまとめます。必要のない方は読まなくて問題ないと思います。

作詞

作詞も、ちょっと前まで「作詞本」一強だったんですが、ほんとに色んな書籍が出てきて何がいいのかわからんって感じです。

3冊ほど読みましたが、これが一番わかりやすかったというか、スキル的に成長できる内容がたくさん書いてあったので推薦します。

この本のポイントは、言葉の選び方などの基本的な部分はもちろん、リスナーに聴いてもらうための詞の書き方という観点が強いところです。商業で活躍されている作詞家の方がまとめている書籍なので当然なのですが、重要な視点です。

独り善がりな文章は共感を呼ばないので聴いてもらえなかったり理解されなかったりするので、相手を意識するという観点を早い内に身につけるという意味でもおすすめです。

ちなみに作詞、わたしは本の他に色々ツールを併用しています。それについては以下の記事に書いてますので、併せてご覧下さい。
→ 【わたしが作詞のときに使う3つの便利道具と使い方

あと、上記の本にもいくつか書いてありますが、わたしが個人的に感じたタブーについては以下の記事に書いてみました。
→ 【今更訊けない歌メロの歌詞を書くときの基本的な2つのタブー

で、作詞の本も頭から最後まで読み込む必要はありません。基本的なことがまとめてある最初〜半分くらいをとりあえず読んで切り上げるのが良いです。
「何をすればいいのかわからない」というところを解消できたら、応用はある程度自分でも考えることができるようになるはずです。

ボイトレ

ボイトレといえばYUBAメソッドが非常に有名……ですが、わたしはひねくれているので、こちらの本をおすすめします。
これも「今までなかった内容である」という点で非常に衝撃を受けました。

何が衝撃的って、アプローチがかなり特殊です。最初ボイトレっぽいこと全然しません。具体的には半分くらいひたすら筋トレについて書いてあります。
主に横隔膜周辺とか体幹の、発声に使う箇所のトレーニングという主旨です。

その上でミドルボイスになるための息遣いや声遣いについて応用として記載されています。あと、初心者的に嬉しいポイントは、後半に「2ヶ月で上達するプログラム」が具体的に書いてあることです。
「本の内容をプログラムに従って日々こなせばなんとかなる」という感触が得られます。

ちなみにわたしはボーカルは絶対やらないのでこれは買おうとしたのではなく図らずも手に入れたという変な経緯だったりします。ボイトレは音楽理論と違って日々の実践をこなすだけなので、続きやすいかもしれませんね。

なおこの本も個別に記事を書いてますのでよろしければ御覧ください。Youtube資料とかもうちょっと詳細にこの本の魅力を書いてみました。
→ 【「歌ってみた」の上達に必携。「一瞬でキーが2つ上がるボイトレ本」の驚きの練習メニュー

まとめ

というわけで、手持ちの書籍で各カテゴリにまとめたとき

  • 音楽理論
  • ミキシング
  • 作詞
  • ボイトレ

という4つの大きな観点だとそれぞれこれがおすすめ、というハナシでした。

実際は、進めていくうちにたとえばクラブサウンドの作り方とか、ギターの音作りとか、機材はどうしようとか、色んな情報が欲しくなってくるかと思います。

が、細かい情報になってくると 書籍よりググったほうが早いという感じで、個人的には「体系的に勉強したほうがいいもの」については本を頼るのがいいかなーという印象です。
ミックスに限れば動画のほうが直感的にわかるところもありますが。

始めた頃ってどうすればいいのかわからなくてとにかく資料を集めがちですが、必要なものに徹底的に絞ってしまったほうが、余計な情報が入らず理解の役にたちますよ。

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