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Googleの音楽教育コンテンツ「Chrome Music Lab」がすばらしい

   

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ついにGoogleが音楽教育コンテンツを始めました。
御機嫌よう、蟻坂(@4risaka)です。

Chrome Music Labとは?

偶然、Googleが音楽教育コンテンツを発表しているのを見つけました。

Chrome Music Lab

かわいらしい絵柄をクリックすると、色々試すことが出来ます。
何が目的なのかよくわからないのですが、Aboutにこんなことが書いてありました。

we wanted to make learning music a bit more accessible to everyone by using technology that’s open to everyone: the web. Chrome Music Lab is a collection of experiments that let anyone, at any age, explore how music works.

音楽の勉強をする環境をより手軽に、オープンに多くの人に提供したいという意志があるようです。
そのための技術を提供するのがChrome Music Labということで、
TECHNOLOGYページには使っているWeb技術について列挙してあります。
エンジニアサイドにとっても面白そうですね。

ちょっと感触を確かめるために、
全部ではありませんがいくつか触ってみたのでレビューしてみます。

中身を軽く触ってみた

CHORDS

chords
すごーくシンプルなコード鳴らすアプリみたいなもんです。
ちょうど弊ブログで紹介したコードを鳴らす系のアプリやサービスに似た雰囲気です。
音楽理論の勉強を一旦放置して簡単に楽しくコード進行を組み立てる3つのショートカット

メジャーかマイナーのキーを選んで、適当に鍵盤を押すとトライアドのコードがなります。
適当に押して回るだけでなんだかそれっぽいハーモニーが鳴ります。

本当にそれしかできないんですが、
「コードってなんだろう?」というのを知らないひとが
感覚的に理解するのにいいですね。

ARPEGGIOS

arpeggios
なんと五度圏が現れました。

こちらもCHORDSと似たようなもので、
五度圏にあるコード名をクリックするとアルペジオがハープの音色で奏でられます。
アルペジオパターンは画面の左右の矢印で切り替えることができます。
ハモリ付きのアルペジオも1パターン収録されていました。

これも本当にこれしかできないのですが、
適当に繋いでみると案外それっぽい音楽が成立することがわかります。

「あっ、音楽なんて難しくないんだ」「アルペジオというのを使うとなんかできそうだ」
という感触とインスピレーションを得る取り掛かりとして大いにアリです。

PIANO ROLL

pianoroll
「音楽を勉強するコンテンツ」となると楽典が連想されますが、
あらゆる書籍その他と比較しても非常に素晴らしいのが、ピアノロールの教材があることでしょうか。

これといって何かをいじれるわけではなく、ピアノロールに既に入っている曲が演奏されるだけなのですが
トルコ行進曲なんかが収録されています。

つまりこれ、楽譜より直感的でわかりやすいインターフェースがあるよ、有名な曲だとこうなるよということを
伝えてくれているようにおもえます。
ピアノロールって制作側からしたら当たり前なんですけど、DTMを知らない人からしたら奇怪な仕組みに見えますから、
こういう「有名な曲でピアノロールの仕組みがわかる」っていうの、意外とありそうでなかった感じで面白いです。

RHYTHM

rhythm
リズムパターンを組んで遊ぶことが出来ます。
リズムって結構奥が深いよ、という話は以前しましたね。
DTMでドラムを打ち込みする時に役に立つ、ドラムの基本的な奏法まとめ

キャラクターが楽器を持っていて、下部のシーケンサーの縦軸が楽器に対応しています。
初期画面はティンパニーとスネア、トライアングルですが、キャラクターを切り替えると
バンドのドラムセットっぽい音とか色々切り替えられます。音価は最低8分音符です。

キャラクターをクリックしても音が鳴ります。
おもしろいですね〜。
ピアノロールと同じ主旨であるならば、これは「ステップシーケンサー」の勉強になります。
さりげなく現代の音楽の作り方になぞらえたインターフェースで、よくできています。

OSCILLATORS

oscillators
バンドサウンド系DTMerだと馴染みの浅いオシレーターもあります。

矢印でキャラクターを切り替えて、
クリックで三角波、のこぎり波、矩形波、サイン波を鳴らせます。

周波数はクリックする位置か何かわかりませんが、若干ランダムで決まります。
クリックすると跳びはねるキャラクターが可愛らしいです。

合成波を知っているひとからしたらよくわからない機能に思えますが、
これ「三角波はこういう音がする」というのと「周波数で音が高く/低くなる」という
基本のきを知るコンテンツとして、やっぱりありそうでなかったところを的確に突いているとおもいます。

SPECTROGRAM

spectrograms
周波数成分を3Dなグラフで出してくれます。

楽器や口笛など、音の成分を選択して再生すると、
そのスペクトルが出てきます。

それだけなのですが、例えばハープと口笛では
音程以外のところにもスペクトルが出てきたり、その音程以外のところが
等間隔で出ていたり、という変化を視覚的に理解することが出来ます。

つまり、音色は倍音で決まるというハナシを直感的に理解できます。
うーん、全体的にいいところついてますね、これらの教材。

MELODY MAKER

melodymaker
ピアノロールっぽい画面にぽんぽんとノートを置いて再生すると
メロディが鳴ってくれます。

で、どうもキーが固定されているようで、
どんなに適当に置いてもかなりそれっぽいメロディができます
テンポも変えることができます。

これもやっぱりあ、音楽って簡単だ、メロディ作るのって簡単だとおもわせる仕掛けなんですね。
音楽は愉しいものですから、素晴らしいとおもいます。

総合的な感想

実際に触ってみて、Chrome Music Labの意図がなんとなくわかったきがしました。

音楽は簡単で愉しい、仕組みなんてシンプルだという体験をWebの技術で紹介しているんですね。
今はスマートフォンがありますので、例えば小さな子供に音楽の理屈を説明するときであっても
このような体験の機会が簡単に手に入るということになります。

特にピアノロールとかスペクトルのような本来難しい概念も、スマートフォンでぽちぽちするだけで
直感的に理解することができる、そんなWebサイトをGoogleは提供しているわけです。
楽器も要りません。本当に簡単です。

たぶん、昔の「楽器を弾けるようになって」とか「楽典を勉強して」みたいな
学問的側面のあるカタい部分を徹底的に排除して、「簡単にクリエイティブなことができる時代である」ということを
Googleは技術で示そうとしたんじゃないかなぁ、とおもいました。
深読みかもしれませんがっ。

まー理論がどうだ機材がどうだ表現がどうだと難しく考えすぎている今の自分と、
はじめたばかりのときの何でも愉しかった自分との差をちょっと思い直す機会になりました。

ちなみに全部触ってませんので、他のツールもぜひご自身で試してみてください。

Chrome Music Lab

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