ありんこ書房

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貴方の自主制作CDのジャケットがダサいのをなんとかする2つの心掛け

   

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そういえば扱っていなかったCDジャケット自主制作におけるデザインの基本的な話です。
御機嫌よう、蟻坂(@4risaka)です。

同人の自主制作において欠かせないCDの制作、パッケージングやジャケットについて関門が有る、という話は以前何度かしてきました。
関連記事:
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で、気づいたのですがここまでの記事で肝心のデザイン自体の話をしていないことに気付きまして、せっかくツールが揃ってもこれでは根本的に自作する意義が得られない、と気づきました。
そこで、本記事ではデザインのやり方……ではなく、おかしなデザインをしないための最低限の方法論について書いておこうと思います。

ダサいデザインをしないための2つの定石

やりかたはいくつかあるのですが、写真にしろ幾何学模様を使うタイプのデザインにしろ共通していえることがありますので、本記事ではそれについて確認しておこうと思います。
ご存知のかたからしたら当たり前の話かもしれませんが、だからこそ書いて置かなければならないと考えた次第でございます。

カラースキームを意識する

はい、町内会とか役所のポスターがわざとやってんのかってくらいダサい理由を考えたことがありますでしょうか。
ウェイトとしては組版のセンスが最低なのが大きいのですが、やはりWordの変なロゴなどをふんだんに使った致命的な色使いのセンスの無さも捨てがたいです。

はい、読んで笑っているそこのアナタ、自主制作のCDジャケットやWebサイトのデザインでひょっとしたら同じ誤りをしている可能性があります
というわけで、色使いについて理屈を理解して適切な色の組み合わせを使えるようにすることがダサデザイン脱出の第一歩です。


色彩理論の世界では、「色相環」と呼ばれる色を並べた輪のうち、特定の配置にある色は相性が良い、というふうに定義されています。

Pixabayから持ってきたそれらしきもの

Pixabayから持ってきたそれらしきもの

で、その「特定の配置」というのは、例えば輪の反対側にある色、例えば緑とオレンジとか、輪の隣同士の色、例えば赤とピンクとオレンジのような関係です。

カラースキームとは、そのような色彩理論で体系化されている「相性のいい色の組み合わせをまとめた枠組み」を差します。では、「色彩理論を勉強しないといけないのか?」というと全くそうではありません。要するにカラースキームが分かればいいのですから

というわけで「カラースキームを設定してくれてるサンプルサイト」を使います。

Color Palette Ideas | ColorPalettes.net

このサイトのいいところは、写真とセットで5色のカラースキームを提案してくれるところ。「冬っぽい」とか「森っぽい」とかそういうイメージを写真から得ることができますので、ジャケットに使いたいイメージと合致するカラースキームを選択することができます。

ありんこ書房は「カビ臭さ」をキーワードにこのカラースキームを設定しており、具体的には以下の5色でほとんど構成しています。

  • ブルー・グレー
  • ダークグリーン
  • マゼンタ

色の配分はブルー・グレーと黒が多めで、色相環で反対側の位置にあるマゼンタは「差し色」として本当に少しだけ使って注目を引くのに利用しています。

CDジャケットのデザインをする場合は、以上のようにカラースキームを設定してそれ以外の色は極力使わないのが無難で良いでしょう。

幾何学の比率を意識する

お次は図形や、写真であれば構図の配置。幾何学を意識しましょう。

ダサいデザインの多くはこれを無視していろんなオブジェクトがフリーダムに飛び回るという共通した特徴を備えています。また、写真であれば注視点がわからないので何が主役なのかわからない構図である場合がほとんどです。
というわけで、それを防ぐための「構図の幾何学」を簡単に押さえておきましょう。

構図の基本については、株式会社LIGの以下の記事に任せてしまった方が早いので、そちらを参照下さい(身も蓋もない)。

写真撮影が上手くなる!構図の基本テクニック12選 | 株式会社LIG

一方、単なる幾何学図形のデザインであっても、構図を考えることは非常に有用です。
例えば黄金比。「1:1.618」の比率です。この他白銀比の「1:1.414」も覚えておくと良いでしょう。

デザイン上黄金比が必要になったとき、たとえばCDジャケットの四角形を黄金比で分割したいときは、以下のツールが有用です。

Golden Section Calculator

左部のフォームにPixel値を入力すると、勝手に黄金比で分割してくれますので、あとは画像編集ソフトでガイドを弾くなどして分割すれば黄金比を取り入れることが可能です。

具体例

いまひとつピンと来ないと思いますので、上2つの「カラースキーム」と「構図」を取り入れた例をひとつ紹介します。

だいぶ前に作った同人音楽のCDジャケット・デザインです。
ジャケット作例
自分で言うのもなんですがまあ悪くないと思います。

で、これのデザインで意識したのは以下の事柄です。

  • カラースキーム: 黒、青(ペールブルー)、白、赤(ペールブルーの反対側になる淡い赤)
  • 構図: 中心に窓を置いたオーソドックスな日の丸構図
  • タイトルの文字が中心より上に来すぎないように、窓の位置を下げる
  • それとなく対数螺旋

色については基本を押さえたつもりです。暗い曲なので黒基調で、ペールブルーは日本式ホラーのようなインスピレーションです。

構図は、中央にある窓の画像が先にあってそれに対するフォトコラージュ的なことをしています。螺旋っぽいモチーフがあったのでアンモナイトのうずまきのように中央に向かうイメージになりました。結果として窓を中心に渦を描く日の丸構図になります。

ただ、窓を完全に中心においてしまうとタイトルの文字列が上に行き過ぎるので、窓の画像を下に持ってきてタイトル文字列を中心より少し上(それこそ、ジャケットを縦に黄金比で分割したとき、境目にタイトルの文字列が来るイメージ)で設置しました。

偶然フラクタルの素材が手に入ったので、渦のイメージに合わせて対数螺旋っぽく仕込んでありますが、これについては構図というより「置いてみたらかっこよかった」といった結果の話ですね。

あとは分析したら多分もっと色々言えるんですが正直感覚7割で作っているのでこの辺にしておきます。
色と基本構図だけ抑えれば簡単な図形の組み合わせでもかなり見栄えするようになるのは確かです。

まとめ

感覚的な話をなんとか言葉に落とし込んでみましたが、カラースキームと基本構図の2つだけ心がけてデザインやってみてください、まとまります、という話でした。

特にカラースキームについては上記で述べたツールを使うことで色彩理論の勉強をショートカットして結果だけ手に入れることができるので、ウェブサイトその他色を扱うデザインが必要になった際は積極的に使うと良いでしょう。

黄金比はこだわりすぎるとデザインの幅を狭めることになるので難しいですが、対数螺旋やフィボナッチ数列といった「比率」の幾何学を意識して図形や写真のオブジェクトを配置すると、これも一気に見栄えが良くなります。

この手の感覚的な話についてよくまとまっている本は間違いなく「なるほどデザイン」でしょうね。ちょっと掘り下げて理解したくなりましたらおすすめです。

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