ありんこ書房

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初心者DTMerのための、今さら訊けない基本的なEQカーブの書き方

      2016/07/20

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EQの基本的なカーブの書き方の定石の話です。わたしも偉そうなこといえたクチじゃないんですが、「大体あってる」はずなので書きます。
御機嫌よう、蟻坂(@4risaka)です。

EQのカーブの書き方には定石がある

はい、見出しの通りEQの書き方にはある程度定石(決まり)があります。

が、巷で語られるのは「2段掛けが良い」とか「リニアフェイズを使うと良い」とか「〜Hzは倍音成分なので」とかいきなり応用例みたいな感じで実に風当たりが厳しいです。
そうじゃなくて当たり前のように知られているけど誰も書かないから無視されてる基本のきはどこだよって話ですよね。

というわけで今更訊けない話として勝手に書きます。
「いやそれはおかしいだろ」とお考えの中上級者の方がもしいらっしゃいましたら、より優れた内容を発信・記録して下さいますと全体の利益になって良いと思いますのでよろしくお願い致します。

EQの定石3つ

よく言われていることだと思うので、知っている人からしたら今更なんですが、とりあえずこの辺は押さえておくと間違いがないよ、というポイントを。応用例は他の人とか書籍が沢山説明していますので本記事では全て割愛します。

HPF(ハイパスフィルター)で50Hzから下のあたりをばっさり削る

大体の楽器に適用できるんですが50Hzから下をハイパスで削るのは破綻のリスクが少なくて効果がそれなりにあります。

Cubaseの付属 StudioEQの場合

Cubaseの付属 StudioEQの場合

理由は「50Hzくらいから下は人間の聴感上音階として認識できないので情報として価値が出にくいが、音圧を上げるための障害にはなり得るから」です。要するに邪魔といえる部分であるためです。

しかし、少し突っ込んでみるとハイパスかけなくていいとかキックの重心は60Hzくらいにあるからここはブーストすべきとか重低音は感覚としてはあるので削り過ぎると駄目とかいろいろややこしいポイントが出てきます。
こればっかりは慣れていくしか無いのですが、一旦「やっても大事故にならないEQの定石」として覚えておくといいでしょう。音圧が上がらないならまずこの辺から。低域を制するものはミックスを制する、らしいです。

ブーストしすぎない

これもよく言われることなんですが、EQは削る方向で使うのが基本です。

EQは「オケの帯域が衝突して団子になっているところを譲り合いでスペースを開ける」のが目的になります。で、特定の周波数だけ音量が大きくならないようにすると各帯域の音量が均一になって、あとでマキシマイザーとか使った時音圧が上げやすくなる……という理屈です。

ブーストするEQ

ブーストするEQ

なので、ブーストすると飛び出るので調整が難しくなるというリスクがあります。よくわからないうちは削るだけにして行わないのが無難です。あ、一応説明しますとブーストというのは「+2dB」とか表示される方向にEQを引っ張る操作を指します。増やすほうです。

よくわかってない頃、「メタルのキックのペチペチした成分はここの周波数をブーストするとできる」みたいなのを信じて超上げてたという思い出があるんですが、最近はフリーでも音源自体が既にそういう音作りになっているのであんまり過剰にやらなくていいのが実情のようです。
やり過ぎるとゴムを叩いてるみたいな変な音になります。

一方、低域が豊富なロックなどのジャンルの場合、相対的に高域が不足するため、高域成分の補完のためにハイハットやシンバルなどの金物は高域をわずかにブーストするという使い方があったりします。

超広域を少し盛ったり

超広域を少し盛ったり

うるさいポイントを探す方法

さて、じゃあ個別の帯域を削る使い方が良いとして、「どこをどうやって削る?」と考えた時、一番楽な方法は以下の手順です。

  1. EQカーブをピーキングにする(Peak とか大体のプラグインで表示されています)
  2. Q値を6とか8とかとにかく大きな値にする
  3. 超ブーストして左右にぐりぐりする
  4. 「ん!?」と思ったところを削る

画像で示しますと以下の様な感じ。
pointseek

この方法をとると、(モニターヘッドホンくらいは1万円ちょっとでもいいのでちゃんとしたの使ってる前提ですが)削りたい帯域を概ね特定できます

オケ全体を聴いて見て、今操作しているトラックのやかましいポイントをこの方法で探します。「耳があてにならない」という場合は大体1kHzより下のどこかにありますのでその辺を頑張って探して下さい。

たとえばキックとベースが衝突して低域が膨らんでる場合、100〜300Hzのあたりで急激にベースがやかましく聴こえるところがあったりします。見つかったら、あとは探索用に作ったEQの変なカーブを元に戻して、Q値低めで1dBくらい削ってみるとかしてみればとりあえず「おかしなEQ」ではなくなります。

ここではっきりさせたいのは見当違いのところをよくわからないままに削りすぎて全然意味が無いという状態を回避することです。この探索法を使うと少なくともそれは回避できます。

ポイントは「低域は高域をマスクする」という考え方で、邪魔になるのは大体無駄な低音なので1kHzより下かなーと言ったのはそういう意味があったりします。

まとめ

はい、ミックスの操作はそこまで自信がある方ではないんですが、この辺は基本だし書いてもいいでしょということで書きました。例えるなら大学の高度な化学はわからないけど中学理科なら教えられる、みたいな感じです。

基本的にここまでに述べた「超低域をカット」「削る方向で使う」「削る場所は超ピーキング探索で見つける」という3つを守れば変なEQとか無意味なEQは回避できるはずです。
これ以上の応用とか基本の深いところの理解については、他のブログのほうが100倍正確で詳しいことを書いているので、その辺を当たってくださいませ。

あと機材は好みでWaves Renaissance EQを使って説明していますが、この手のEQはみんな操作が同じなので、お手元のフリープラグインでも一緒です。
Voxengo CurveEQとかわかりやすくて画面が大きいのでおすすめです。

また書籍資料ですが、ミックスの教則本はもちろん、雑誌の特集が結構基本的な話を載せていて参考になります。サンレコとかサンデザあたり。

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