DTMerが注目するベース音源4つをおおざっぱに比較してみた
2017/09/01

最近ベース音源多すぎるので比較記事です。
御機嫌よう、蟻坂(@4risaka)です。
最近、妙にエレキベース音源多い気がしませんか。
一時期はベース音源といえばTrilian!というくらい王道な音源として収まっていたTrilianですが、昨今のすごいベース音源の出現によりついに比較対象のひとつでしかなくなった感じがします。
さて、そんなふうにいいものが出てくると困るのがどういう特徴があるのかよくわからないという問題。スペック表を見比べるのもいいですが、わたしみたいに大雑把に比べるのもなかなかいいと思います。
というわけで、エレキベースの音源に悩む貴方もいっしょに考えてみましょう。
目次
ベース音源比較
先に断っておきますがわたしが持っているのは本記事だと「Shreddage Bass II」「Ilya Efimov Modern Bass」だけです。つまるところ残りの音源はスペック表や動画、感想などを見て得た情報から比較したものになります。ご了承ください。
1. IK Multimedia MODO BASS
まずはIK Multimediaの最新音源、MODO BASS。
- ★奏法はあらかた収録している
- ★4弦、5弦、ピック、指弾き
- ○スラップができる
- ○物理モデルで抜群にライブラリが軽い
- ○物理モデルなのでいろんなベースを用意できる
- △スライドが微妙らしい
物理モデリングという強烈な自由度と軽さを持つ音源でありながら、生音並に自然な音が鳴るということで一部で話題を集めているベース音源です。
実際デモを聴く限り凄まじい自然さであり、その上物理モデリングの美味しいところである「モデルを切り替えていろんなベースを作れる」というところがメリットです。弦や指、ピック、ピックアップや弦の数まで操作できるのは本記事で紹介する中でもこれしかありません。
ただ、噂によるとスライドの音がちょっと怪しいとか強烈なバグがあるとか聞きますので、そのへんはアップデートを待つしか無いかもしれません。
IK Multimedia | MODO BASS — The first physically modeled electric bass
2. Junk Spider Organic Fingered Bass
次に個人ベンダー、Junk SpiderさんのOrganic Fingered Bass。
- ★奏法はあらかた収録している
- ★4弦(でもLowB対応)、指弾き
- ○抜群に音が良い
- ○スライドの自由度が高い
- ○そのくせに安すぎ
- △スラップはないけどアップデートの期待は大きいと思う
上の動画を聴いてみてすぐ分かるかと思いますがとんでもなく音が良いです。そしてサンプルベースなのに凄いのはスライドの自由度の高さ。こういう動きをつけるとどんどん生っぽくなります。
ソレこそMODO BASSとか、この後紹介する音源にも全く負けてない音源なんですがお値段たったの$79。ちなみにMODO BASSを始めとして今回紹介している他の音源は全て$120超えです。いかに破格かお分かりいただけるかと思います。また個人ベンダー特有のフットワークの軽さも魅力的です。
ちなみに4弦ベースで収録しているのですが音域的にはLowBまで出るそうです。この後紹介するModern Bassとでは、音の好みが大きな比較ポイントでしょうか。
Junk Spider Organic Fingered Bass[Virtual Electric Bass Guitar Instrument for Kontakt]
3. Ilya Efimov Modern Bass
ロシアのIlya Efimovのベース音源。ベース以外にも素晴らしく完成度の高いKONTAKT音源を出しているメーカーです。
- ★奏法はあらかた収録している
- ★5弦、指弾き
- ○抜群に音が良い
- ○5弦なのでLowBも対応
- ○スラップもあるよ
- △操作性が悪い
指弾きでオールジャンルなら音の良さと奏法、値段のバランス的にこれかなぁと思って購入して使ってます。とっても良い音(モダンで明るい音)が鳴ります。
アンプも音源に内蔵されているほか、キースイッチで奏法を切り替えてアーティキュレーションをこだわれば生音に匹敵する素晴らしいベースを奏でることが可能です。
……が、それがなかなかクリエイティブと相反することになっていまして、具体的にはキースイッチの操作性がイマイチ良くないです。あと拘るならアーティキュレーション書き込み地獄になります。
ただし、それを除けばどんなジャンルでもかっこよく鳴らすので、指弾き音源なら個人的におすすめです。
Modern Bass — Ilya Efimov Production
4. Impact Soundworks Shreddage Bass II
個人的イチオシな超メタル向けベース音源です。
- ★奏法はあらかた収録している
- ★6弦、指弾き
- ○抜群に音が良い(ただし高出力ピックアップらしく、もともとバキバキした音)
- ○6弦なので凄い重低音を出し放題(最低音LowG)
- ○KONTAKT PLAYERでも動く
- △音が尖りすぎてジャンルに寄っては使いにくいかも
まず6弦ベースという時点でおかしいんですよね。LowGという地獄みたいな音が鳴ります。
さらなる特徴はやたら高出力でバキバキした生音。これにアンプで歪を加えると昨今のモダンメタルにぴったりな攻撃的な音ができあがります。
大量のラウンドロビンによる自然さと奏法の収録、キースイッチによる簡単切り替えももちろん搭載しています。アンプとエフェクトラックも内蔵。
ただそれが欠点とも言えるかなーと思いまして、音が尖りすぎてポップとかだと使いにくいかもしれません。ベロシティを強くするとスラップみたいにバキバキした音になりますし。そんなにやかましいベースはポップや普通のロックには不要ですよね。ただハマれば最強の音の良さと使いやすさなので、わたしはメインのベース音源はコレです。
ソフトウェア音源 「SHREDDAGE BASS 2」 | SONICWIRE
まとめ
メタルならShreddage Bass II、フュージョン、ロック、ポップならOrganic Fingered Bass、オールマイティならMODO BASSかな?というのが今のところの印象です。Modern Bassも万能で、指弾き5弦で明るい音なのを活かして歪ませるとHR/HMでも使えます。ちなみに全部Trilianより遥かに安いのもポイント。
MODO BASSもかなり万能なのと、最近スラップを使ってみたいので気になるんですが、わたしはやっぱりShreddage Bass IIのやたら攻撃的な音が好きで、ずっとこれがメインです。こんなふうに、実はベース音源といってもモデルになっているベースによって音に特徴があるというのも面白いところです。貴方にあったベース音源は何でしょう?
ベース音源持ってない!探してる!という人は、値段に対して性能が凄まじいのでOrganic Fingered Bassをおすすめします。
あとベースアンプシミュを用意しておくと音作りが愉しいですね。BIAS FXのBass Packがおすすめです。