ありんこ書房

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DTMerが打ち込みギターでやりがちな3つの誤解と解消のための指南

      2016/07/07

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誤りが誤りであることを共有されない事実があるので、やっぱりここで書いておきます。追加があれば意見下さい。
御機嫌よう、蟻坂(@4risaka)です。

打ち込みギターにおける「弾ける人」と「弾けない人」の認識の違い

打ち込みギター、フリーの音源から有償の立派なものまで沢山揃っていますが、それらに共通する問題点があって、未だに解決できていないと考えます。
それは、弾いている人なら当たり前に知っている奏法などの知識が、弾けない人に伝えられていないという点です。

有償音源で「〜種の奏法を収録!ギターメーカーXX社の○○の音をnGB分完全収録!」とかいう宣伝文句が有りますが知らないので何いってんのかさっぱりわからんと思ったことありませんか。
大体ギターが弾けないDTMerの皆さんが求めているのは生音のような完成度のギターのであって収録サンプルやらなんやらは単なる手段でしかありません。
よくスマートフォンで解像度とかRAM容量を強調することがありますが、快適に使えりゃなんでもいいよってハナシと同じですね。目的が連想しにくいのです。

……という愚痴は置いといて、そんなふうに奏法の情報が適切に共有されない故に間違えているのかどうか気づかないままそのままにされている多くの認識ミスについて、打ち込みギターと本物のギターの両面からいくらか知っている私が適当に共有して正そうと思います。

「えっ、そうだったの?」と思っても恥ずかしがることはありません。誰も共有していない仕組みが問題なのです。

打ち込みギタリストのための間違いこっそり気づく講座

表題はちょっと誇張です。「ギターを弾けば絶対に気づくが、打ち込みだけだと気づきにくい奏法上の事実」を淡々とまとめただけです。
あとジャンルの関係でロックギター・メタルギターに向いた話に偏っています。

誤り1: ピッチベンドの音程は上昇方向にしか行かない

はい、他の楽器がピッチベンドで音を上下に揺らすことができるので勘違いしがちですが、ギターは普通上方向にしか行きません。

こちらの動画を御覧ください。

こんな風にギターの弦を持ち上げることで音の高さを変えます。奏法の名前で言うと「チョーキング」と全く同じです。そして、動画で講師の方もおっしゃってますが、ギターのビブラートは基本的に縦揺れで、横揺れはまず全くと言っていいほど使わないので、下手に「こういう奏法もあるんだからいいんだよ!」とか言って使うと一般的じゃないので不自然に聴こえます。

原理は小学校理科で習った内容で、「ひもを強く引っ張ると弾いた時音が高くなる」というアレです。弦を指で持ち上げることによって張力が増えるので、「強く引っ張った」状態が作り上げられた結果、音が高くなります。

小学校理科のハナシで続きを書くと「ひもを引っ張る力をゆるめると音が低くなる」というのがありますが、ギターの構造上普通にやっても演奏中にゆるめることは不可能なので、結果的に音が下がる方向に変化することはありません。

特殊奏法として「アーミングビブラート」というのがあり、これを使うと指ではなくて弦を固定している部分で弦を引っ張る力を変化させられるので、「音を下げる方向のビブラート」をかけることができますが、普通に演奏する際に頻繁に利用するものではないので、最初は意識しなくても良いです。
気になった方は「ギター アーミング」でYoutubeを検索してみてください。

誤り2: 「ブリッジミュート」を勘違いしていてザクザク刻めない

正確には「ざくざく刻む打ち込みの方法がわからない」といったほうが適切でしょうか。

「ミュート」と名がついているので音を短く切るイメージをするのですが、ざくざく刻むときに使う奏法はプリッジミュート(パームミュート)といいます。英語圏ではPalm Muteのほうが通じます。こちらも動画で。

45秒くらいからの右手の場所に注目してください。ギターの弦が固定してある部分(ブリッジと言います)に手の側面を軽くあてて振動を抑える(ミュートする)と、あの「ズンズン」とした独特の響きが得られます。これを思いっきり歪ませて高速でやると、メタルの「ざくざくざくざく」ができるわけですね。
ブリッジでミュートするのでブリッジミュート、または、パーム(手のひら)を使って行うのでパームミュートと言うわけです。

ちなみに左手は普通に弾きたい音のフレットを押さえるだけです。左手で弦の振動を押さえると通常の「ミュート」と言い、連続で左手のミュートをしながら刻むと「ブラッシング」とか「カッティング」と言います。興味があったら「ギター カッティング」でYoutubeを検索してみましょう。

ちなみにブリッジミュート、打ち込みギターだと難点があり、ご覧のとおり特殊な発音方法なのでそういうサンプルが収録された音源じゃないとそもそもブリッジミュートの音が出せません
これについては以下の記事で紹介した音源ならば全て解消できていますので、併せて御覧ください。
→ 【KONTAKTさえあれば使える、フリーのギター音源3選(1つは無くても使えるよ)

誤り3: ギターソロを猛烈なフルピッキングで作る

フルピッキング、の前に「ピッキング」というのは、ギターをピックで弾くあの奏法のことです。で、ギターソロを全部ピッキングでやるかって言ったらまず無いです。

ギターって、ピックで弾かなくても左手で弦を叩いたりとか、左手で押さえているフレットから指を離す瞬間に弦を指で弾くとかやっても音が出るんですよね。
で、エレキギターだとアンプで増幅する関係上、左手のそういう動作でも十分に大きな音がでます。この叩きつける動作を「ハンマリング・オン」、フレットから指を離すときについでに弾くのと「プリング・オフ」と呼びます。普通ギターソロはこれらの奏法を組み込んでフレーズを作ります。

具体例はやっぱりYoutubeを探すとすぐ出てきます。1分くらいから解説。

ハンマリングとプリングオフは左手の操作だけでできるため右手のピッキングが要らず、高速で効率よく音を出すことができます。繰り返すとかなりのスピードで音を出せます(ちなみに、単純な繰り返しを「トリル」と呼び(動画5分のあたり)、押さえるフレットを変えてメロディを奏でる場合「レガート」と呼びます)。

ピッキングは指や手首の動作が入る分動きが大きく、これだけでギターソロを組み立てるギタリストはSlipknotのミック・トムソンのような「そういう奏法が得意なスーパーギタリスト」に限られてきます。
つまり不可能ではないのですが一般的ではないということで、こちらも隣接する音はハンマリングとプリングを適宜組み合わせるのが自然です(下記動画4分あたり参照)。

隣接する音はハンマリングとプリングを使ったほうがギタリスト的に楽で高速であることがこの動画でなんとなくわかると思います。重ねて申し上げますが右手のピッキングは使っていません。左手だけです。

こちらも原理的にハンマリングやプリングのサンプルが収録されていないと打ち込みでは音を出せませんが、やっぱりさっきの記事にそれらが収録された音源を紹介しています。
→ 【KONTAKTさえあれば使える、フリーのギター音源3選(1つは無くても使えるよ)

まとめ

はい、たぶん打ち込みギターやってみる人がつまづくけど誰にも教えてもらえ無さそうなことを勝手に考えて書いてみました。結局チョーキング(ビブラート)、ミュート、ピッキングとハンマリング、プリングという基本奏法のお話ですね。

これでなんとなく察しがついた方もいらっしゃるかと思いますが、奏法は名前を知っていればYoutubeで実演動画をいくらでも探せます。今回紹介していないもので頻繁に使えるのは以下のあたりでしょうか。興味がありましたら調べてみてください。

  • ユニゾンチョーキング(unison bend)
  • ピッキングハーモニクス(artificial harmonics)
  • ナチュラルハーモニクス(natural harmonics)
  • トレモロピッキング(tremolo picking)
  • カッティング(cutting)
  • タッピング(tapping)
  • スウィープ(sweep picking)

あるいは、以下の様なギタリスト向けの資料を手元に置くのもおすすめです。以下の本は初心者ギタリスト向けのロングセラー教則本ですが上記に書いた奏法はタッピングとスウィープ以外は記載されています。

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