Apple Pay導入でBASEが最高の個人ネットショップ開設サービスになると考えた理由

システム面とか、かっこよく言うとグロースハックが一番やりやすいので個人のネットショップ運営はBASEがいいです。
御機嫌よう、蟻坂(@4risaka)です。
目次
ネットショッププラットフォーム多すぎ問題
はい、「最近は簡単にネットショップ作れるサービスが有るんだなぁ」くらいにご存知の方はいらっしゃるかと思います。
が、これについて「具体的にどのサービスがどう違うのか」ちゃんと説明できるでしょうか。わたしはできません。っていうか調べる気も起きません。
いちおう、minneはハンドメイド特化、メルカリはマス層に非常にリーチしやすい、BOOTHは同人に圧倒的に強い、などは把握していますが、ユーザー的になにが嬉しいのかという観点がまだ抜けています。
で、ほとんど全てのネットショップ系プラットフォームに言えるのが「決済が異様にめんどくさい」という点。これは解消できていません。
- コンビニ決済→コンビニ行くのめんどくさい(クレジットカード要らないメリットは有りますが)
- Pay-Easy→手続きがめんどくさい
- クレジットカード→登録するWebサイト多すぎて不安、登録しないならしないで入力めんどくさい
- Paypal→安全だけど登録が非常に煩雑でめんどくさい
という、一長一短ではありますがいずれも「なんかめんどくさい」という漠然とした感触が残っています。
「決済がめんどくさいので有料コンテンツだったら買ってまで手に入れる気が起きない」という話も聞いたことがあります。価値は認められているのにめんどくさいだけで買われないというのはクリエイターとしても悲しいことです。
なんとかできないものでしょうか。
……という悩みについて、Apple Payをいち早く導入したBASEとminneが解消の鍵を握っているので、本記事で考察してみます。
個人的には記事タイトルにあります通りBASEとの組み合わせが特に素晴らしいと考えましたので、その理由についても述べてみます。
9月現在、ECサイトではminneとBASEだけが対応
まず前提の確認なのですが、Apple Payのページを御覧ください。
下の方にスクロールしていくと対応しているクレジットカードとかサービスのロゴが一覧できるのですが、気になるのは「アプリケーションの中で。ウェブ上で」のところ。
数あるネットショップの中でBASEとminneだけが対応しているということがわかります。
これは見逃すわけにはいきませんね。
BASEとminneについてとりあえず公式サイトへのリンクを貼っておきます。それぞれネットショップを簡単に開設できるサービスとしてそれなりに有名なので、今更説明するまでもないかと思います。
minne | ハンドメイド・手作り・クラフト作品のマーケット
またApple Payで何が出来るのかについてはGIGAZINEがまとめています。
iPhone 7のFeliCa対応でついに日本にやってくる「Apple Pay」が一体どんなものかわかるまとめ – GIGAZINE
Apple Payがなぜ良いのか
さて、なぜApple PayとネットショップのBASEがいいの?という話ですね。
プロモーションでは「iPhoneでSuicaが使えるのね、ふーん」程度でしたが、決済サービスをスマホと組み合わせたところに一本化出来るところに利点があります。
クレジットカードの情報をクローズドにできる
まずひとつめ。Apple Payはクレジットカードの情報をApple Payに登録することで、「対応したサービスで決済するとき、iPhoneをかざすと支払いができるようになる」という仕組みです。
具体例を示しますと、例えばコンビニでiDとかSuicaを使って決済をしたいとき、「iDでお願いします」と言った後にiPhone7をかざすとApple Payを経由して勝手にiD扱いにして支払ってくれる、あとでクレジットカードに課金されるといった感じです。
ネットショップの決済も同じで、iDなどのサービスじゃなくてApple Payで支払いを済ませる→Apple Pay経由であとで登録したクレジットカードに課金されるという仕組みですので、ネットショップから見ると買い手のクレジットカードの情報は見えないということになります。
ということは、冒頭に述べましためんどくさいポイントと安全性のひとつである「クレジットカード情報をその辺に登録して周るリスク」であったり、「登録しない代わりにいちいち入力する手間」というのを省略して、Apple Payで隠蔽できるというわけです。
え、売り手的に何が嬉しいのかわからん?まぁまぁ、とりあえず読み進めていってください。
他の買い物と統合・一元管理できる
Apple Payは決済サービスなので、対応しているもの(さきほどのiDとかSuicaの話ですね)は全部「Apple Pay経由で決済→クレジットカードに課金」という手続きを取ることができます。
ということは、Apple Pay1本にクレジットカード情報を集約することで、大体の買い物に関する決済を統合できるといえます。
すると、携帯電話の支払いとか、日々の買い物とか、電車賃とか、そしてネットショップの買い物をApple Pay一本化できるといえます。
すると、先ほどの「クレジットカードの情報をクローズドにできる」という話が効いてきまして、ありとあらゆる買い物の機会においてクレジットカードの情報をバラまいたりいちいち入力する手間が省けるといえます。
Apple Payを使っている人からしたら「安全で楽な決済方法」と言えますので、ユーザー的には非常に便利ですね。
……で、だからBASEでショップ開設してる売り手的になにがいいのかよってまだ思ってます?以下で解説しましょう。
Apple Payにはグロースハック的な強みがある
小難しい横文字使いますが、いわゆるグロースハックのひとつです。
なんでBASEのApple Pay対応がそんなに嬉しいの?
Paypalが導入している決済サービスのSquareと異なり、スマホと連携できる+iPhoneの国内シェアはかなり大きいという点で、この先さらに普及していくことが予想されます。
ということは、「Apple Payを使える人が多数派」みたいな状況を見越して売り手としては行動していく必要があります。
ユーザー(買い手)から見た時、実際問題BASEとかBOOTHとか直販とかサービスの種類なんかどうでも良くて、簡単かつ安全にコンテンツを買えるか、迅速に到着するかなどの価値が重要になってきます。
このとき、Apple Payを常用するユーザーであったら、例えば「ショップAはApple Payに対応していない」「ショップBはApple Payに対応している」となったとき、ユーザーから見て楽なので買いたくなるのはショップBの方になります。
故に、決済方法の対応というのは「買わせるための工夫のひとつ」として結構重要な要素になります。
そして、先ほど「Apple Payが多数派になる状況を見越して」と書きましたが、実際そうなっちゃうとApple Pay非対応というだけで無意味に不利になるんですよね。
2016年9月現在、他のショッププラットフォームが対応していない以上、じゃあ売り手としてプラットフォームを選ぶとしたらどこにするか、という質問に回答する場合、Apple Pay対応のBASEかminneが今後考えた時いいって言えるんじゃないでしょうか。
実は他の決済手段についても同じことが言えるのですが、Apple Payの特殊なところはiPhoneにくっついてるおかげでマス層にも急速に普及しそうというところです。
めんどくさいとそもそも買われないかもよ
そうは言ってもウチ一点ものだし?ウチじゃないと買えないし?だったらどんなプラットフォームでも一緒でしょ?という意見もあるのではないかと思います。
つまり、「1つのプラットフォームでしか売ってない以上、多少決済が難しくてもユーザーはそこから買うしか無いので買ってくれるはずだ」という考えです。
が、めんどくさいものは根本的に買われません。残念ながらたった100円だろうが面倒をこなしてまで欲しいと思われないパターンがほとんどです。イメージの話ですが僻地に建ってる雑貨屋に人は来ないみたいなものです。
「コンテンツが良ければ支持される」というのは確かにそうなんですが、それはつまり「コンテンツが良くて更に売り方が巧い人」に劣るといえるので、意地を張らずにできる工夫はなんでもやったほうが絶対いいです。
ちょうどBASEやメルカリがそうであるように、インターネットを使うと誰でも簡単に一瞬でショップを開設して売り手になれる時代ですので、職人肌的な考えは多分通用しなくなっていくことが予想されます(もうなってますけど)。
これについてはグロースハックじゃなくてブランディングっていう別の言葉も関わってくるのですが、3,000円ガトーショコラの書籍が直感的でいいかもしれません。
(関連: 同人作家もバンドマンも必読。「1つ3000円のガトーショコラが飛ぶように売れるワケ」を読んで)
Pixivの例
もうちょっと具体的な例は以下の記事が参考になるでしょう。
驚異のグロースハック術をpixiv代表・片桐孝憲が明かす – ログミー
Pixivではコンテンツの導線の作り方など様々な工夫がなされていますが、本記事に関連する所ですと決済方法に関連する箇所でしょう。
スマートフォンキャリア決済と、Google Play決済に対応したことで、有料会員が増加したという話がされています。
決済手段について、今ではこの2つで全体の3/4近くを占めてます。それまではクレジットカードとコンビニ決済くらいしか無かったんですけど、とにかく手段を増やせば増やすこと有料会員も増えるってことで、中国の銀聯カードとかもめっちゃ申し込みましたね(笑)。
という具合に、「手段を広く取ってユーザーにとって便利にする」というのは重要であることがわかります。
BASEはなんでも売れる
最後にminneと比較してわたしがBASEを進める理由ですが、簡単に言えばなんでも売れるからです。
minneはハンドメイド特化なので、「自作した具体的なモノ」じゃないといけないという制約があります(アクセサリーとか、衣類とか)。対してBASEはモノはもちろんサービスまで売れます。
モノを作る技術がなかったらデザインを販売してBASE側でスマホケースなどに加工してもらうこともできます(これはPixiv Factoryのほうが強いですが)。
たとえば、小谷真理さんの「50円で自分の1日を売る」というサービスが有名ですね。極めて自由です。
スマホケースについては公式サイトの以下のページに解説があります。「デザインは自信あるんだけど在庫管理とか商品の作り方はわからないんだよね」と思っている方は今すぐ始めるべきでしょう。
……という具合に、制約が緩いので、別に同人とかアマチュアの何かに関係なく
で、ここまでに述べましたApple Pay対応と来ましたので、売り手的にも買い手的にも今一番ホットで便利なプラットフォームであると考えています。
まとめ
長々と書きましたがいかがでしょうか、決済方法として安全で簡単かつiPhone対応のApple Payは今後伸びていく可能性があって、売り手としてはそれに対応してお客さんを逃さないようにするのが重要であります。
そのためには数あるプラットフォームの中からApple Payに真っ先に対応していて、取り扱える商品に制約の少ないBASEを使うのが一番いいな、という話でした。
「よっしゃ今すぐはじめよう!」と思った方は、以下のブログ記事が参考になります。
BASEでネットショップ店長歴7年の私がお店を開いて検証してみた | ヨッセンス
また、ちらっと言葉だけ出しましたグロースハックですけど、ひとことで言うと「やり方を工夫して購買につなげる」というやつです。「無料登録するとレアキャラが貰える」とかソーシャルゲームで宣伝してますけど、あれも登録を増やすためのひとつの工夫です。
詳細は書籍に投げます。個人的おすすめの「いちばんやさしい」シリーズです。アマチュア・同人・インディーズの世界で小商いをしている人はこの辺の工夫が致命的に弱い人が結構いらっしゃるので、自分だけこっそり勉強しておくと出し抜けるんじゃないかなーと思います。