わたしが作詞のときに使う3つの便利道具と使い方
2016/03/20

はじめに
御機嫌よう、蟻坂(4risaka)です。
作曲が好きな創作屋のみなさまにおかれましては、最近はボーカロイドもありますし
ご自身で作詞をする機会も出てきたのではないかとおもいます。
しかしながら、作詞というのは作曲ができても中々はかどらないもの。
本日はわたしが作詞の際に使っているツールを紹介しますので、参考にしていただけたら幸いです。
3種の道具
1. シソーラス辞典
シソーラス(類語)辞典とは、ある単語と意味の似通った言葉、つまり類語を一覧できる辞典です。
例えば「太陽」であれば、「お日様」や「日輪」といった言葉で言い換えることができますね。
このような類語、自分の頭だけで考えるのはなかなか骨が折れますし、視野も狭くなりがちなので、
専門の辞典を使ってざっくばらんにリストアップして歌詞に使うのがおすすめです。
「なんか表現がありきたりだなー」とか「メロディに綺麗にはまらない」ときに有用です。
わたしは以下のインターネットのシソーラス辞典を使っていますが、
Amazonなどで紙書籍もありますので、お好みで。
2. 「思いどおりに作詞ができる本」
そしてこの本でフレーズの組み方を覚えます。
作詞に関する書籍は山程出てきておりますが、
ボーカロイドからのDTMブームのようなものから「誰でもできる作曲」みたいな本が乱立したように、
正直な所、作詞本も玉石混交もいいところだとおもっております。
もちろんインターネットのレビューを参考にしたり、ご自身で立ち読みして選んでいただければよろしいのですが、
私がおすすめしたいのは、田口 俊氏の「思いどおりに作詞ができる本」です。
田口氏は「ウイスキーが、お好きでしょ」のベテラン作詞家でございますので、
そのアドバイスの確実さは折り紙つきとおもって頂いて問題ないとおもいます。
そういう有名人バイアスを抜きにしても、
ポップス出身の方らしく「Aメロの書き方」「サビの書き方」といった
最近の楽曲に合わせた書き方を懇切丁寧に説明されている他、
男性・女性視点の書き方の差異、陰の踏み方、言葉の選び方など
右も左も分からないひとはもちろん、勘でやっている人がご自身の知識を整理整頓する意味でも
非常に有用かと思います。
実際のポップスの歌詞を引用して、そのギミックを解説されてたりもしますので
具体例を用いた勉強も可能です。
個人的に最も印象に残ったのは、「作詞をするうえで普段から行なうべきことは?」という質問に対して
何よりもまず音楽を聴き、CDを買い、そして音楽を愛しましょう。
という回答が添えられていたところです。
3. マインドマップ
「マインドマップ」は、思考を連想的に次々と出していくメモの書き方です。
ある行動や言葉を中心にそえて、それに関連するものを次々と枝葉のように繋げ、
最終的にアイデアを具体的なものに昇華する材料とします。
ここでは詳細の解説は行いませんので、参考になるサイトを紹介しておきます。
作詞の場合、次節で説明するように、少々本来のマインドマップの使い方から外れた
イレギュラーな使い方をして、テーマを作詞のインスピレーションが得られる状態に持って行きます。
また、紙に書くのが一番直感的なのでおすすめですが、
最近はインターネットがあれば、Webサービスで簡単にマインドマップを書けます。
Mindmeister
せっかく便利な時代なので、iPhoneアプリを使うのも手です。
使ってみる
以上のツールを、わたしは以下のように使っています。
- まず主題になるテーマを真ん中に置いてマインドマップをつくる
- 主題の言葉から連想される形容詞や単語、表現を芋づる式に自由につなげる
- 3〜4階層分くらいまで掘り下げて、だいたい30〜50個くらい出てきたらマインドマップおしまい
- 出した単語のうち、「使いたいもの」や「文章を組み立てられるもの」をセレクトし、その類語を調べる
- 「思い通りに作詞ができる本」を見ながら、メロディに日本語の文章にして当てはめていく(このとき、主題やいいたいことを意識してそこからずれないようにする)
過去の作った「夢喰い」というEPはこの方法で作詞のインスピレーションを掘り起こしました。
(関連記事: 同人音楽作品「夢喰い」収録曲の作詞)
わたしは紙とペンでマインドマップ書くのですが、当時のメモをどこかにやってしまったので、
以下の再現イメージを持って変えさせて頂きます。
ここから色々モチーフを膨らませて、
例えば「怪物」+「見世物小屋」→「フリーク・ショウ」とか
「夜」→「闇」→(類語)「冥闇」とか、伝えたい事に関係させられるようなキーワードを作りこんで、
日本語として、メッセージとして成立するように文章を組み立てたり、
登場人物がいるならば描写を補完したりするなどしました。
わたしは曲先で作るので、メロディに合わない箇所などは類語や文章表現の変更で対応しました。
また、マインドマップに使う連想は、一般論を捨てて
「自分はこう思う」という置き換えのほうが個性が出て良いとおもいます。
いわゆる「カラスは白い」という主張です。
誰も文句いいませんから、自分の好きなようにアイデアを繋げてみましょう。
そうはいっても「その文章が上手くメロディに合うように組み上げらんねーんだよ!」という悩みはあるかもしれません。
それはまた後日お伝えしようと思います。
まずは単語や基本的な構成力について、本記事を参考にして頂ければ悩みは解けるんじゃないかとおもいます。